【40代、50代・薬と上手に付き合う方法④】市販薬ですませるか、医療機関を受診するかの見極め方は?
今までにない頭痛は直ちに病院へ!
【解熱鎮痛剤】 発熱や痛みの症状を緩和する薬だ。痛みでは頭痛、腰痛、背部痛、生理痛などによく使われる。 「痛みは体になんらかの危機を知らせるシグナルです。その感じ方は人により違いますが、放っておいていいものではありません。特にいつもと違う痛みを感じたときは、医療機関で原因を診断してもらう必要があります」 《注意が必要な体の痛み》 ●電気が走ったような・やけるような痛み ●脚やお尻にしびれがある ●発熱と体重減少も見られる ●安静にしていても痛む ●痛みが2週間以上続いている ●痛くて冷や汗が出る ●痛む部位を押しても、痛みが強まらない 《注意が必要な頭痛》 ●首に痛みや硬くなっている部位がある ●バットで殴られたような強烈な痛み ●痛み止めの薬を月に15日以上飲んでいる ●視野に異常がある ●片頭痛の症状が重い ●最近、頭をぶつけた
花粉症の薬は軽度なら市販薬でOK!
【アレルギー性鼻炎薬】 花粉症などのアレルギー性鼻炎薬も、市販薬のお世話になるケースが多い代表的なもの。 「処方薬の大部分の成分が、市販薬にも使われているため、軽度の花粉症であれば市販薬で十分対応できます。医療機関を受診している時間がない、毎年同じ薬で症状が落ち着いているので医師の診察を受ける必要がないといった人は、市販薬がおすすめです。ただし、下記の症状がある場合は医療機関へ!」 《注意が必要なアレルギー症状》 ●喘息やじんましんなどの、ほかのアレルギーの病気が疑われる ●鼻づまりに頭痛を伴っている、または薬を飲んでも鼻づまりが治らない ●点鼻薬を頻繁に使っている ●年々、花粉症の症状がひどくなっている ●2歳未満の乳幼児のアレルギー症状 手軽に買える市販薬はとても便利。その半面、自己判断で重病を見逃してしまうこともある。その判断力を持っておくことはとても大切だ。
【教えてくれたのは】 鈴木素邦さん 薬剤師。経営学修士(MBA)。「クラヤコンサルティング」代表取締役。城西大学薬学部非常勤講師。東京大学や慶応義塾大学などの教壇に立ち、多くの薬剤師を世に送り出す。薬局薬剤師の経験、多くの薬剤師を輩出した経験をもとに、お客様第一の薬局になれるような薬局向け経営コンサルティングを行う。研修講師としても、薬局経営者向け中心に講座を実施している。著書に『薬の裏側』(総合法令出版)など。 イラスト/いいあい 取材・原文/山村浩子