【都市と地方の格差くっきり】最低時給、東京は1300円超え―帝国データ : 3県で1000円に届かず
帝国データバンクの調査で、採用時の最低時給の平均値は改定後の最低賃金の全体平均を112円上回った。最低賃金での募集では継続的な従業員の確保が難しいため、最低賃金を上回る金額に引き上げざるを得ないようだ。
帝国データバンクが9月中~下旬にかけて全国2万7093社を対象に実施した調査で、「従業員を採用する際の最低時給(正規・非正規問わず)」は全体平均で1167円となり、10月の改定後最低賃金の全国加重平均1055円を112円上回った。
業界別で最も高かったのは、「金融」「不動産」の1261円。「建設」1249円、「サービス」1208円が続いた。 「サービス」を小分類でみると、「情報サービス」1374円、「専門サービス(経営コンサルなど)」1313円は相対的に高水準だったが、「旅館・ホテル」1037円や「飲食店」1051円は2024年の最低賃金1055円を下回る水準にとどまり、同じ業界内でも差が大きい。
最低時給の平均を都道府県別で比較すると、最も高かったのは東京の1340円で、唯一1300円超。続く、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉の5府県が1200円台だった。東京は、改定された最低賃金と採用時の平均最低時給の差額が+177円と最大だった。
都道府県別の採用時最低時給トップ5
・東京 1340円 ・神奈川 1277円 ・大阪 1269円 ・愛知 1208円 ・埼玉 1205円 出所 : 帝国データバンク
一方で、青森、秋田、鹿児島の3県は最低時給の平均が1000円を下回った。特に、青森は改定された最低賃金と採用時の平均時給の差額が+31円で最少。秋田、鹿児島も+30円台後半の差額となっており、地方において差額が小さくなる傾向が表れた。
都道府県別の採用時最低時給ボトム5
・青森 984円 ・秋田 990円 ・鹿児島 991円 ・鳥取 1000円 ・徳島 1013円 出所 : 帝国データバンク