カンタブリアの古豪復活のとき! 独走態勢に入りつつあるラシン、データ上のラ・リーガ昇格確率は“100パーセント”?
ラシン・サンタンデールが、セグンダ(2部)で独走態勢に入りつつある。 カンタブリアの古豪が復活の兆しを見せている。1929年に創設されたラ・リーガの“オリジナル10”のひとつであるラシン・サンタンデールは、これまでにキケ・セティエン氏やMFセルヒオ・カナレス(モンテレイ)、MFパブロ・トーレ(バルセロナ)らを輩出。また、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督が率いた2007-08シーズンにはラ・リーガで6位となり、UEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)出場権も獲得した。しかしその後は、極度の経営難に陥り、選手の給料未払い問題も発生。2011-12シーズンを最後にスペイン最高峰の舞台から遠かっているだけでなく、3部リーグにまで転落するなど、凋落の一途を辿った。 それでも、セグンダ復帰2年目となった昨シーズンは、最終節で昇格プレーオフ圏内から転落したものの、ホセ・アルベルト・ロペス監督が志向するスペクタクルなスタイルで、7位フィニッシュを果たした。そして迎えた今シーズン、FWイニゴ・ビセンテとFWアンドレス・マルティンの両サイドアタッカーを中心に躍進。27日に行われた第12節デポルティーボ戦に2-1で勝利し、5連勝を達成。9勝2分1敗。勝ち点29の首位で、昇格プレーオフ圏内の3位ミランデスとのポイント差を『8』に広げている。 そしてスペインメディア『Relevo』は、ラシン・サンタンデールが同リーグに関する“とある条件”を満たしたことを紹介。それは、1995-96シーズン以降において、第12節終了時点で勝ち点29以上を獲得したチームは、すべてラ・リーガに昇格しているというものだ。過去に5クラブが証明しており、1995-96シーズンのエルクレス、1996-97シーズンのメリダ、2019-20シーズンのカディスがこの時点で勝ち点31、1998-99シーズンのヌマンシアが勝ち点30、2010-11シーズンのベティスが勝ち点29だったとのこと。また、同節終了時点で7ポイント以上のアドバンテージを保持していたクラブも、もれなく翌シーズンはラ・リーガに戦いの舞台を移したと併せて伝えている。 とはいえ、あくまでもデータである他、シーズンの3分の1すらも消化していない。12月にはミランデスやグラナダとの上位対決も控えている。ただ、ラ・リーガの“最古参”として、そして“常連”として、スペインフットボール界の歴史を築いてきたラシン・サンタンデールの復活には、胸躍るものがある。
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