個人の“モノ言う株主”化がYouTubeの一大トレンドに? SBI北尾吉孝会長も賛同で話題
今、投資家界隈を賑わせているのが、SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長(CEO)が、2024年3月期の決算説明会で言及した異例の内容についてだ。 【写真】卓球金メダル水谷隼氏「追証発生通知」に絶句も《最後に勝ってればok》の強気発言…かつては家一軒分の損失 〈最近まあ、あるSNSアクティビストが自称か他称か知らんけど、僕は非常に評価してる人なんですけど、名前はあえて出しませんけど〉〈この人がね、メルカリやGMOのことを株主総会をネットだけでやる、これはけしからんと言われております〉 北尾氏のコメントは、リクルートやLINE、ZOZO出身のインフルエンサー田端信太郎氏の発言に関するものだ。田端氏は最近「アクティビスト個人投資家YouTuber」を名乗り、上場企業の株式を保有。企業価値を上げるため、フォロワーが30万人以上いるXで問題点を指摘し、各企業に改善を促している。 「田端氏は炎上もいとわぬ歯に衣着せぬ発言で知られ、かつて発言がもとでベンチャー企業の取締役を解任させられたほど。田端氏からやり玉に挙げられた企業はたまったものではないでしょう。しかし、彼の主張に個人投資家だけではなく、重鎮の北尾氏までもが賛同を表明したのです。従来、大きなファンドが行うアクティビスト活動ですが、田端氏に触発されて他のインフルエンサーも参入してくる可能性が出てきています」(ネットライター) ■YouTubeと相性抜群 田端氏がこれまで疑義を呈してきたのが、GMOインターネットグループ熊谷正寿会長のプライベートジェットに関する燃料費の会社負担についてや、メルカリの米国事業の長年の赤字と子会社の鹿島アントラーズの低迷、両社がいまだオンラインで株主総会を開催している点などなど。 Xで各企業のオーナー経営者に直接疑問を投げかけるなど、田端氏は一人“物言う株主”と化し、自身のYouTubeチャンネル「田端大学 投資学部」の関連動画は再生数を伸ばしている。 「人気YouTuberの再生数の低迷が指摘される中、数字を伸ばしているのが専門性が高いチャンネルで、事件や企業の不祥事などの解説動画も人気です。投資への関心が高まる中、個人のアクティビスト活動はSNSと非常に相性がいいと思われます。ただ、視聴者の中にその道のプロもたくさんいるため、財務分析など決算資料から問題点を抽出する能力のほか、企業経営やコンサル経験がないと、ボロが出て叩かれたり、信頼を失いかねない。すべてのインフルエンサーができる芸当ではないでしょう」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏) 個人のアクティビスト活動は、今のところブルーオーシャンのようだ。