ソニーの「着るエアコン」前年比2倍の売れ行き、人気の秘密は?
猛暑対策として、毎年バカ売れしているのがソニーの「REON POCKET」(レオンポケット)シリーズだ。その第5世代モデル「REON POCKET 5」が4月23日に発売され、公式Webサイト上では、すでに前年比2倍の売れ行きを見せているという。今作では何が進化したのか。 【画像】首元にペタ、ひんやり~! ソニーの「着るクーラー」がバカ売れ(全11枚)
REON POCKETがさらに進化
REON POCKETは、首元に装着することで本体接触部分の体表面を直接冷やしたり温めたりすることができるウェアラブルデバイスだ。2019年にクラウドファンディングから試験的に販売を始め、2020年7月から一般発売を開始して以降、毎年新機種を発表している。 2023年に発売したREON POCKET 4も、リリース後3日で初回出荷分1万台が完売しており、今作もすでに前年比で2倍の売れ行き(公式Webサイト上)を見せるなど好調だ。 具体的な販売数は公表されていないが、毎年生産量は1.5~2倍ほど増やしているという。生産拠点も国内から中国に移転するなど、体制を整えている。 好調な売れ行きについて同社は、「小型かつスタイリッシュな形がビジネスシーンで使い勝手がよく、冷却レベルが高い」ところが評価されていると分析する。もともと、開発に当たっては「都市圏のビジネスパーソンに使ってほしい」という思いがあり、購入者の8割ほどは想定していた通りにオフィスワーカーだという。
サーモモジュールと放熱ファンが進化
第5世代モデルは、本体とネックバンドのセットと、ウェアラブルセンシングデバイス「REON POCKET TAG」を同梱したキットの2タイプがあり、価格は公式Webサイトでそれぞれ1万7600円と1万9800円となっている。 今回、新たに開発したサーモモジュールと放熱機構を搭載し、同社比で最大約1.8倍の駆動時間と最大約1.5倍の吸熱性能を実現した。これにより、パワフルな冷却と長時間の使用が可能となり、COOLレベル5が新たに使用できるようになったほか、COOLレベル4でも約7.5時間駆動するなど進化した。 また、本体から発生する動作音を最大約5分の1に低減するなど、静音性も大きく向上した。COOLレベル4で動作している状態を測定したところ、耳に届く騒音は「ささやき声」「木の葉のふれあう音レベル」(同社調べ)と同等だという。 駆動時間が伸びていることから、ほぼ1日中装着しているユーザーが多い。また、フルオートのため、会議で発言したときに体が熱くなると冷却モードがオンになるなど、感知する温度によって作動することもあるので、あらゆるビジネスシーンで気にすることなく使用できるよう静音性にはこだわった。 行動や環境に合わせて、冷温を自動で切り替えられる機能「SMART COOL⇔WARM MODE」も強化した。付属のREON POCKET TAGをアップデートし、直射日光の検知を可能にしたことに加え、環境変化に合わせた温度調節にかかる時間が最大約3分の1に短縮され、状況に応じて最適な温度を提供する。 さらに、本体とタグに搭載された計8個のセンサーを活用することで温度制御の精度が向上したほか、駆動時間も「SMART COOL⇔WARM MODE」は、最長約10時間使用できる仕様に進化した。 そのほか、REON POCKE本体の熱を逃がす付属のエアフローパーツには、ビジネスシーンとカジュアルシーンに合わせた2種類を用意。ビジネスシーン向けには、首や背中の形に合わせて襟の高さまで伸びた形状、カジュアルシーン向けには低い襟元に合わせた短い形状で、いずれも目立たず効率的な排気が可能という。