大型連敗阻止〝請負人〟坂本勇人が先制4号!巨人、連敗「6」で脱出
(日本生命セ・パ交流戦、日本ハム2-7巨人、1回戦、巨人1勝、14日、エスコン)7年前の北海道の夜と重なった。巨人は開場して2年目のエスコンフィールド北海道で初の公式戦を迎え、坂本勇人内野手(35)が同球場でチームの公式戦初安打となる4号先制ソロ。チームの連敗を6で止めた。 【写真】巨人・坂本がスマホケースに貼っている「笑うアベ」ステッカー 「たまたま本塁打になっただけで、あとの打席の内容が全然よくないので。(久しぶりの勝利は)よかったですね」 今季初めて下位の「7番・DH」で起用され、本塁打の後は3打席凡退。復調途上だが、決勝点を刻む一打を放つ勝負強さは、あの時と同じだった。 2017年6月9日の日本ハム戦(〇2―1、札幌ドーム)。球団史上最悪の13連敗を止める決勝打を放ったのが背番号6だった。当時は主将としての責任感から胃痛と不眠に悩み、15日間で体重は3キロ落ちた。「この雰囲気でどう勝って、みんなで笑えるのかって常に考えていた」と、若きリーダーは1勝の重みを胸に刻んだ。 時はたち、昨季から主将の座は岡本和に託したが、チームを思う気持ちに変わりはない。助言を求めてくる後輩たちのため、時間を見つけては2軍戦の中継を見る。5月には、ある選手の振る舞いが雑に映り、「1軍と2軍で態度を変えるな」と連絡した。あえて厳しく注意したのは、選手の成長と、何よりチームの和に綻(ほころ)びを出さないため。今でも強いリーダーシップでチームを支えている。 阿部監督は試合前に「自己犠牲とか、もう一回、改めて徹底してやろう。みんなで連敗を止めて、今日はすすきのへ飲みに行っちゃおう!」と明るくチームを鼓舞したといい、「勝つってうれしいね」と喜びをかみしめた。投手コーチも含めた異例の首脳陣会議で決まった打順が奏功。まさにチーム一丸の勝利だった。その中心には、逆境でこそ頼れる坂本がいる。(谷川直之)