シリコンバレー/サンフランシスコが不動のトップ スタートアップエコシステムがもっとも発達した都市ランキング、東京、大阪、京都は?
日本の都市のランクと政府の取り組み
日本の都市は、東京がランキング変わらず14位、京都が3ランクアップの169位、大阪が15ランクダウンの146位という結果だ。 日本は経済産業省が2022年にスタートアップ創出元年と銘打って育成5カ年計画を発表している。日本経済の成長にスタートアップの勢いは欠かせない存在としながら、着手したのはわずか2年前、5カ年計画も半分を過ぎようとしている。 東京の、そして日本のスタートアップエコシステムがランクを上げない理由は、経済体系が歴史的に自己充足型であることも指摘されている。企業の世界進出を阻んでいるのは言葉の壁であり、海外からのスタートアップも同じ問題で日本に進出しにくいのが現状。価値あるコラボレーションや知識の交換といった貴重な機会を逃しがちだと指摘されている。また日本は、海外の投資家から資金調達をするにもハードルが高いことで知られている。 こうした問題を対処すべく、東京都はGlobal Innovation with STARTUPS計画を2022年に発表し、Tokyo Innovation Baseを設立するなどエコシステムの国際化を目指す方向ではある。同計画は2027年までに官民のパートナーシップを10倍、ユニコーンやスタートアップの数を10倍に増やすという目標を掲げている。 なおStartupBlinkのレポートでは東京・横浜というくくりであることも付け加えたい。東京・横浜はセールス&マーケティングやハードウェア&IoT、環境とエネルギーの産業で世界のトップ10以内にランクインしている。
エコシステムの評価方法は他にも
StartupBlink社の評価指標は量・質・ビジネス環境の3要素を反映しているとされているが、別の指標を使用する、Startup Genomeの2024年レポートも発表されており順位はサンフランシスコが同じく1位、東京は10位に浮上している。 サンフランシスコ一強と大きな変動の無かったスタートアップのエコシステムランキング。AIが目覚ましい発展を遂げ、リモートでさまざまなことが可能になり、ネットで世界中が簡単につながる時代でありながらも、拠点の周辺環境がスタートアップの発展に重大な影響を与える要因であるのは、興味深い事実だ。
文:伊勢本ゆかり/ 編集:岡徳之(Livit)