シリコンバレー/サンフランシスコが不動のトップ スタートアップエコシステムがもっとも発達した都市ランキング、東京、大阪、京都は?
第2位のニューヨークは、世界一の金融都市であると同時に、6,000社ものスタートアップの拠点でもあり、119のユニコーンもニューヨークがベース、サンフランシスコ同様に良好なエコシステムを備えている都市だと言える。特にEコマースとリテール、フィンテック、フードテックの3分野でのスタートアップが盛んで、ニューヨークのスタートアップのうちこの3分野だけで24%を占めている。 ニューヨークはまた人口が1,000万人以上いることも魅力で、インフラが整備されているという点でも評価されている。
インドはバンガロール
アメリカ以外の都市で今年注目されたのは、8位を維持したインドのバンガロール。インドでは俳優になりたければボリウッドの拠点ボンベイへ、スタートアップならバンガロールへという定説がすでに定着している。 その理由として、前述都市と同様の資金などへのアクセスのほか、インド国内でもテクノロジー発展が目覚ましいこと、生活コストの優遇策、数多くのミートアップやイベント開催、ベンチャーキャピタルとエンジェル投資家の多さなどが挙げられ、インドが誇るスタートアップ都市としてそのポジションを堅持。 ただし、インドではニューデリーがベルリンを追い越して11位に上昇し、トップ10入り間近とも見られている。
トップ10圏外もアジアで急上昇の都市
アジアではシンガポールが16位に急上昇した。前年から4ランクアップ、2020年からの統計では16ランクアップし、深センを追い越してアジアでは第6位だ。 今回トップ50入りを果たしたアラブ首長国連邦ドバイは、前年から8ランクアップ、2020年からは89ランクアップしている。 ドバイの成長は、政府の経済開発局が主導でスタートアップの成長を支えているという背景がある。ドバイには業種に応じて外国企業などが恩恵を受けられるフリーゾーン(経済特区)がいくつもあり、企業の成長を支援する仕組みが以前から確立している。こうしたフリーゾーンでは最先端の施設を利用することも可能で、スタートアップの成長を支えてくれる。 またDubai Startup Hubでは、スタートアップへのアドバイスや投資家とのつながりといったサービスの提供もしており、これも政府の取り組みの一環だ。ドバイ博覧会を成功裏におさめ、主要な国際会議が開催されるなどドバイの成長はスタートアップでも見られそうだ。 今回ランクを落としたのが13位のベルリン、23位のサンパウロだ。 ただしサンパウロは依然としてラテンアメリカ唯一のトップ3%エコシステムとしてその存在を堅持。ベルリンは、他の都市の台頭によってランクを落とした形で、特定の要因があるわけではない。ベルリンそのものは、オープンな風土と比較的安価な生活費、多様なエコシステムによる多様なスタートアップの支援、そして政府の取り組みも健在だ。