「狂った政権の狂った判決」…李在明の民主党、司法不服宣戦布告
韓国野党「共に民主党」が裁判所との戦争に突入した。懲役1年に執行猶予2年が宣告された李在明(イ・ジェミョン)代表の公職選挙法1審宣告を「法理的にも事実的にも認めることはできない判決」と否定したのだ。巨大野党の「司法否定」攻勢に政局混乱は続く見通しだ。 民主党は17日、法律事務所のように動いた。李代表が前日ソウル・光化門(クァンファムン)広場の集会ステージに上がり、「決して死なない。もっと大きな敵に向かってともに組んで戦い抜こう」と団結を注文した直後だった。朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は集会場で「狂った政権の狂った判決」と裁判所を露骨に非難した。 民主党は全方向から裁判所を攻撃した。金潤徳(キム・ユンドク)事務総長は記者懇談会で「裁判所がまともに理解できないまま判決が出たのではないかという考えを持っている。みんな常識を持っている。判決文とわれわれの説明のうちどちらがより競争力があるかを確かめてほしい」と話した。その上で担当記者らに裁判証拠資料のうち一部を新たに加工し配布した。姜由楨(カン・ユジョン)院内報道官は、裁判所が今回の判決で政界に「邪悪な口封じ」をしたと論評した。 午後には党内検察独裁対策委員会が「裁判所が検察で作った虚偽と詭弁を前提に誤った判決をした。政権の危機状況をただ李在明という政敵除去と最大野党弾圧を通じて免れようとする幼稚な工作に野合した政治判決」と非難した。既存の反検察路線を裁判所に拡張するという暗示だ。民主党と祖国革新党所属の法制司法委員は「政権に同調してありもしない罪を作る裁判所は裁判所ではない」という声明を出した。最近法制司法委で「裁判官出身のくせに」と話して李代表の1審判決を控え公開的に陳謝した民主党の金宇栄(キム・ウヨン)議員はこの日フェイスブックに「暴悪な権力者に屈服した一介の判事の逸脱」だと投稿した。 世論戦にも突入した。民主党ベテラン議員は「李代表が受ける4件の裁判(選挙法違反、偽証教唆、大庄洞開発不正、北への送金疑惑)のうち最も軽くみていた選挙法裁判で重刑が下された。裁判所がこうした基調を続けるならば残りの宣告で陣営の未来が危険に陥りかねない。結束だけが答」と話した。15日の宣告前日までも民主党は検察・警察など「権力機関」を公的に設定しただけで、裁判所には友好的や中立的姿勢を取ってきた。だが宣告後に姿勢が180度変わった。 ただ検察に続き裁判所まで敵に設定する戦略が民主党に有利かは未知数だ。徳成(トクソン)女子大学のチョ・ジマン教授は「司法圧迫がすぐに支持層を結集することはできても長期的に中道層を吸収しなければならない民主党には役立たないだろう」と話した。韓国外国語大学のイ・ジェムク教授も「結局重要なことは2027年の大統領選挙勝利だが、陣営結集は一般国民の疲労度を上げる。授権政党からそれだけ遠ざかるだろう」と分析した。 党内では有効な反李在明勢力が消滅したことをめぐり懸念も提起される。4月10日の総選挙と8月18日の党大会を経てさらに堅固になった李代表の掌握力に親李在明の主流派の意見だけが正当なものと扱われ、非難を恐れる少数は口を閉ざすことになるということだ。検察独裁対策委のパク・ギュンテク委員長はこの日の会見で「判決予測をしっかりしなかったのが問題ではなかったか」という取材陣の質問に「有罪を前提とした議論はなかったのが事実。曲解して判決するのをわれわれがどのように予想するか」と話した。 1審宣告を控え、「有罪」の言及自体をタブー視した党の雰囲気が「結果的に衝撃波を拡大した」という反応だ。元民主党関係者は「昨年9月の李代表逮捕同意案可決の際に離脱票議論で朴洸瑥(パク・グァンオン)院内代表が結局辞任しなかったか。その時できた学習効果で今回の判決を控えだれも当選無効刑が出るだろうという話をできなかった」と話した。非李在明系関係者は「むやみに『李在明を助けてくれ』と訴えることが今後も通じるのか、深刻に考えなければならない時」と話した。