向谷実が音楽を制作 京都男山ケーブルの車内放送一新
29日から新たな放送に切り替わる
向谷実が音楽を制作(映像は七五三バージョン) 京都男山ケーブルの車内放送一新
京阪八幡市駅と石清水八幡宮を結ぶ京都府八幡市の男山ケーブルで、車内放送が刷新されることとなり、同ケーブルを運行する京阪電車が26日、試乗会を開いて車内放送を公開、音楽を担当した向谷実さんも出席した。石清水八幡宮社殿の国宝指定などを記念したもので、29日から新たな放送に切り替わる。車内にはスピーカー4台が搭載され、立体的なサウンドが楽しめる。 【動画と拡大写真】向谷実が男山ケーブルに乗り、自らの音楽(七五三バージョン)にのせて
石清水八幡宮社殿の国宝指定を記念
男山ケーブルは京阪八幡市駅と男山山頂駅を通常5分、正月は高速運転で3分で結ぶ。山頂駅からは歩いて石清水八幡宮に参拝できる。今年2月、石清水八幡宮の本殿など、社殿10棟が国宝に指定された。また昨年12月には同ケーブルが運行開始60周年記念を迎えている。京阪電車ではふたつの慶事を記念して車内放送の刷新を決めた。 上り下りで放送内容が異なり、通常放送版をはじめ、正月と七五三で放送する計6作品が公開された。音楽家の向谷さんが作曲を含めたプロデュースを手掛けた。 通常版は厚い信仰を集める石清水八幡宮の厳粛さを和楽器の演奏などで表現。上り作品「OGOSOKA」では、同宮社殿に施されている鳩の彫刻が、京阪特急のハトマークのモチーフになっている逸話などを、さりげなく盛り込んだ。
七五三バージョンはジャズ風サウンドで軽快に
七五三の上り作品「SUKOYAKA」は、一転して軽快なジャズバージョン。試乗会に参加した向谷さんは、ケーブルカーで山上駅に向かいながら「七五三だから浮き浮きしてほしい」と、ジャズ風アレンジの狙いを明かす。 「子どもたちが大人になったら、素敵な音楽を聞いてほしいという思いを込めた」と付け加えた。向谷さんはJRや京阪などで多くの鉄道関連音楽を手掛けているが、ケーブルカーの音楽を担当したのは初めて。「作曲に際し、上り下りする躍動感を重視した。ケーブルカーならではのドラマを乗って体験してほしい」と呼びかけた。 新しい車内放送は29日初発電車からスタート。来月4日には、特別運転イベントや京阪電車オリジナルグッズ販売会などが開催される。詳しくは京阪電車の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)