メッセージがびっしり書き込まれた車 被災地・大槌町の「走る震災遺構」13年目の役割 #知り続ける
■震災は終わっていない サンバーの新たな役割 年が明けた2024年1月―。佐々木さんはサンバーを大槌に届けた東京都東久留米市の荒井さんの元を訪ねた。サンバーが自分の手を離れ、震災を伝える新たな役割を担うことになったことを報告し、改めて感謝の気持ちを伝えるためだ。荒井さんは「みんなにこういう車があったということを知っていただきたいし、物を大切にする日本古来の心をつないでいけたらいい」と話す。佐々木さんは「私の手を離れたことで一つの区切りになるが、この車を見た人が震災はまだ終わっていないと思ってくれればいい。常にそういう意識をもって、いざというときに備えていただければ」と話し、サンバーが担う新たな役割に期待を込めた。東日本大震災から13年。 サンバーは今、岩手スバルのベテラン整備士の手によって修理が施されている。 あの日から13年を迎える3月11日にお披露目する予定だ。 整備が終了した後のサンバーについて岩手スバルは、ショールームでの展示のほか、様々なイベントに赴き、多くの人に見てもらう機会をつくりたいとしている。大槌町の復興に寄せられたたくさんの思いを乗せて、サンバーは「走る震災遺構」としてあの日を伝え続ける。 ※この記事はIBC岩手放送とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。