「集中が続かなくてつらい」状態から抜け出す5つの方法
テレワークが始まったころは、これまでと違う環境での仕事で捗った人もいたのではないでしょうか。しかし、慣れてしまえばテレワークのほうが出勤するより誘惑が多く、集中できない......なんてことも。 さらには、進捗確認のためのチャットや電話がひっきりなしになって、まとまった時間が取れない! とお困りの方こそ必見。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ワトソンワイアットなどの外資系コンサルティング会社を経て独立した大嶋祥誉氏は、集中の概念を変えることで、劇的に効率が上がると話します。 ※本記事は大嶋祥誉著『マッキンゼーで学んだ 時間の使い方がうまい人の一瞬で集中する方法』(PHP研究所)の内容を一部抜粋・再編集したものです。
細切れの「集中」を体得するべし
私が提唱するのは、「一カ所に閉じこもって一心不乱に何かに打ち込む」というタイプの集中ではありません。むしろ真逆です。それは「ちょっと集中してちょっと休む、集中しない集中」です。 大事なのは、その集中できる10分あるいは15分をフルに使って集中すること。そして、集中できなくなったら休むこと。いわば「細切れの集中」です。 集中できる時間には個人差がありますが、私の周りにいる多くの大学教授やビジネス界で活躍する人たちは、この「細切れの集中」を非常にうまく活用しています。 ミドルマネージャークラスの人からよく聞く悩みとして、「集中して仕事をしたいのに、部下からしょっちゅう連絡が入って集中できない」というものがあります。 子育て中の人から、「子供の世話に忙しく、集中するためのまとまった時間が取れない」という話もしばしば聞きます。 でも、それでいいのです。「集中するためにまとまった時間を取る」、そして「頑張って長時間、集中状態を保つ」という発想を捨ててしまいましょう。それがむしろ、あなたの集中力を奪ってしまっているのです。 集中力を高めようと努力すればするほど、長時間にわたって集中しようとすればするほど、質の高い集中はできなくなるからです。 なぜなら、それは「疲れてしまうから」。疲れた状態で「集中しなければ......」と焦ってしまうと、本来はやる必要もないこともやらなければならないと勘違いしてしまい、あれもこれもと手をつけてしまう。 結果、やることばかりが増えて、まったく前に進まない。「どうしよう、どうしよう......」となって、時計を見ると、もう夜の12時を回ろうとしている――。そんな「悪魔のサイクル」といった状態に追い込まれてしまいます。 あなたは眠る直前に急に不安が押し寄せてきて、「あれ、あの件はどうなっていたかな」「あっ、あれもやっておかないと!」「これもやっておかないと!」と、次から次へと懸念事項やTODOが思い浮かぶという経験をしたことがありませんか。 それを「冴えている」と表現する人もいますが、私に言わせればそれは「冴えている」というより「疲れている」から起こる現象です。そして、少しきつい言い方になりますが、そうやって思い浮かんだことの8割は余計なことだったり、取り越し苦労だったりするのではないでしょうか。 だからこそ、「集中しよう!」と意気込まないこと。そして、集中できないときはまず、「あ、自分は疲れている。休まなければ」と割り切ることです。集中できない状態で集中しようとしたり、不安にさいなまれながら何かをやろうとすると、かえって疲れが増していつまで経っても集中できません。 「集中が途切れたときこそ、集中しようとしない」それこそが大嶋流集中術の「大原則」です。