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■自動車公正取引協議会による「新車の不適切な販売方法についての注意喚起はどうなった?
最後にアルファード/ヴェルファイアの販売方法に関連するトピックスがあったので紹介しておきたい。 2024年11月15日、一般社団法人自動車公正取引協議会は、新車の不適切な販売方法について「注意喚起」のインフォメーションを会員向けに配信した。 当協議会は自動車の販売において、事業者と一般消費者との間にどのようなトラブルが発生しているかを把握し、表示や取引の一層の適正化に資するため、消費者窓口を設置し、苦情・相談を受け付け、トラブル解決のための助言を行うとともにその発生原因や問題点を分析している。 「そうしたなか、最近、納車までに期間を要する新車について、不適切な苦情相談が消費者から寄せられています。会員事業者におきましては法令遵守および消費者の信頼確保の観点から本インフォメーションを参考に適切な販売が行われますよう、お願い致します」という序文とともに主な相談の内容(不適切な販売方法)や法令遵守および消費者の不信を招かないための適切な販売方法について紹介している。 つまり、プリウスやアルファード/ヴェルファイア、ランドクルーザー250などで行われてきたと思われる(もちろんそのほかのメーカーも含む)販売方法について、抱き合わせ販売に該当し、独占禁止法に違反するおそれがあるとして注意喚起を行ったのだ。 すでにご存じの方も多いと思うが、残クレや長期ローン、下取り車、ボディコーティング、オプション(メーカーおよびディーラーオプション)、メンテナンスパックの抱き合わせ販売がそれにあたる。 また現金購入の場合であっても1年間の所有権留保についても所有権は当然購入者に移るべきもので、これを販売事業者によって留保することは権利の侵害に当たるとしている。 実際、筆者は残クレや長期ローン、下取り車、ボディコーティング、ディーラーオプション、メンテナンスパックを選択しないと購入できないと話を聞いた。以上の項目が多ければ多いほど納期が早くなり、割り当て台数が多いのである。「強制ではなく、お客様の任意です」と言われるが、それを選ばないと購入できないのだから同じことである。まさに殿様商売だ。 まずアルファード/ヴェルファイア、ランクル250など最新の人気車は1年間の転売禁止の誓約書にサインをしないと購入できない。 こうした販売方法は転売ヤー対策といえるが、実際、現金を持っているのに支払う高い残クレの金利分、ディーラーにありがちな買取業者よりも安い査定で下取り車として出さなければいけないなど、転売ヤーではない購入者にとってはかなりの高額(100万円以上加算になる場合もある)になり、購入そのものを諦めかねない状況である。 首都圏のある販社の2023年、2024年の決算資料に記載されている営業利益を見ると案の定、信じられない爆上がりの数値が並んでいた。 自動車公正取引協議会の業務本部消費者関連部に話を聞いたが、「不適切な販売方法および法令遵守および消費者の不信を招かないための適切な販売方法を会員向けに"注意喚起"したものであり、適切な販売方法を守らないと罰則を与えるとか強制力はありません。会員は本インフォメーションを参考にしていただき、適切な販売方法を行っていただきたい」。 ※自動車公正取引協議会は、日本自動車工業会や日本自動車販売協会連合会をはじめとした普通会員8団体、維持会員約1万9400社(メーカー14社、ディーラー約1300社、中古車販売事業者約1万2500社など)、日本自動車連盟、日本自動車査定協会、日本オートオークション競技会などの賛助会員7団体、プロトコーポレーションやカーセンサーなどの賛助会員7社(中古車情報媒体事業者)が加入している。 厳密にいうと、抽選販売であったり、抱き合わせ販売に納得したユーザーの先着順販売など、販社、ディーラーによって販売方法が異なっているので、もちろんそうした抱き合わせ販売のない適切な販売方法を行っている販社、ディーラーもあるだろう。 では、この自動車公正取引協議会が出したこの注意喚起によってどう変わったのか?11月23日、24日にディーラーに行って確かめてきた。 答えはNO。東京、埼玉、千葉、神奈川のディーラーを回ったが、自動車公正取引協議会が注意喚起した不適切な販売方法をどのディーラーも行っており、その影響はまったく感じられなかった。あるディーラーにはこの件についてあえて提起してみたが「そうはいいましても転売対策ですので……」。 独占禁止法違反、不公正な取り引き方法(抱き合わせ販売)に該当するおそれがあると注意喚起した公正取引協議会のインフォメーションは、なんの効力もなかったというわけだ。 国の行政委員会である公正取引委員会では,独占禁止法違反行為をした者に対してその違反行為を除くために「排除措置命令」や「課徴金納付命令」を行い、さらに被害者は損害賠償の請求ができるのだが、そこまでしないと改善しないのだろうか……。