番組改編で「サザエさん」生き残り、昭和アニメに生き残る道はあるか
フジテレビが6日、都内ホテルで4月改編発表会を開いた。メインスポンサーである東芝の経営危機などにより一部で打ち切り報道まで出ていた長寿アニメ「サザエさん」は、継続することがわかった。しかし最近ネット上では「つまらない」「打ち切りでいい」という声が出ているのも事実で、今後必ずしも安泰とはいえない。日本人なら知らない者はいないとまでいわれる、昭和が生んだ国民的人気アニメに生き残る道はあるか。
番組改編で「サザエさん」生き残る
視聴率低迷に苦しみ、ここ数年は大幅改編が続いたフジテレビ。今回は「これまで以上に大ナタを振るうのでは」との予測もあったが、フタを開けてみれば改編率は全日が6.5%、ゴールデン(午後7時~午後10時)が22.4%、プライムが(午後7時から午後11時)24.0%と、控えめ。発表会を取材したスポーツ紙記者は話す。 「『めちゃ×2イケてるッ!』、『とんねるずのみなさんのおかげでした』も生き延びた。 『サザエさん』はもちろん、局の看板として長年放送されてきた有名番組が打ち切りになれば、こちらは記事が書きやすかったんですが(笑)。フジテレビ側は昨今、『フジテレビらしさ』を繰り返し強調しており、長年定着している番組を数字だけで切るのはマイナスだと判断したのでしょう」
長寿番組の宿命「時代とのギャップ」
そんな中で「サザエさん」も生き残ったわけだが、スポンサーの件はともかく、そもそもなぜ「つまらない」などという風評が立つようになったのか。ポイントは、長寿番組の宿命ともいえる「時代とのギャップ」だ。 原作である漫画版「サザエさん」は戦後まもない1946年(昭和21年)4月、福岡の地方新聞の4コマ漫画として始まった。サザエは独身で、舞台も博多だった。その後マスオと結婚、舞台も東京に移し、掲載紙の変更や作者の長谷川町子の事情による何度かの休載もあったものの、4コマ漫画としては6000回を超える長期連載となった。 一貫しているのは、サザエさん一家(磯野家)の昭和の家庭像だ。親しいご近所付き合いをはじめ、マスオが事実上の“婿入り”状態での二世帯同居(三世代同居の大家族に発展)や年始のハワイ旅行といった風情が、戦後日本のライフスタイルを表現。そして、年数を重ねても登場人物が歳を取らないのも定番作品として、いつまでも親しまれる要因となった。