土用の丑「パンガシウス」は持続可能な水産物、ウナギの代用魚にあらず
持続可能な水産物を調達
同社がパンガシウスの取り扱いをはじめたのは、2014年。持続可能な水産物の調達を検討するなか、環境に配慮した持続可能な養殖を認証する「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」の認証を取得したパンガシウスがベトナムで養殖されていると知り、輸入を決めた。 当初はバジルソースやムニエル用の調味料で味付けした切り身などを販売。さらにパンガシウスの消費を拡大するため、今年からは、1年半ほどの期間をかけてタレなどを独自開発したかば焼きを新たに投入した。
パンガシウスは日本市場に定着するのか
現時点で、土用の丑の日商戦における同社のかば焼き製品トータルの売上高は、前年実績を上回っている状況。今年初めて登場したパンガシウスのかば焼きに、購入客は「あっさりしていて老人も食べやすい」などおおむね好意的だという。今年2回目の土用の丑の日である8月6日に向け、パンガシウスを含むかば焼きの紹介にさらに力を入れる。 この先、パンガシウスは日本市場に定着するのか。近大ナマズの開発者で、水産物にくわしい近畿大学世界経済研究所の有路(ありじ)昌彦教授(42)は「パンガシウスはタラの味わいに近い白身魚であり、ムニエルやソテー、フライに適している。上手に味付けをして、特徴を生かした料理を考案すれば、結構良い製品になるだけのポテンシャルは持っているのではないか」と話している。 (取材・文:具志堅浩二)