「何もできずに悔しかった」町田戦後に涙のアビスパ福岡永石拓海、約4カ月ぶり出場へ闘志
J1アビスパ福岡のGK永石拓海(28)が、21日のアウェー磐田戦で約4カ月間遠ざかっているリーグ戦出場への意欲をにじませた。 ■報道陣に囲まれ監督退任について語る【写真】 出場機会がなかった14日の町田戦でチームは0―3と完敗し、リーグ戦は9戦勝ちなし。試合後、サポーターの叱咤(しった)激励を耳にし、涙を流した。「(試合に)出ていないから何もできずに悔しかった。(サポーターから)前向きな声も聞こえてきたので染みた。次の試合で出る機会があれば、こみ上げてきた感情を全部ぶつけたい」と誓った。 今季は開幕戦でゴールを守るなど、リーグ戦で7試合に出場してきた。5月中旬に左側下顎骨で全治3カ月と診断されて離脱。8月7日の湘南戦でメンバーに復帰した後も、ビッグセーブを連発する村上昌謙(32)が守護神として定着している。それでも「出た時に活躍するだけ」と日々の練習からセービングや位置取りの確認、味方への指示などを意識して取り組んでいる。 試合中はピッチに立てない歯がゆさをこらえ、ベンチから味方を鼓舞し、気付いた点を伝えるなどして一緒に戦っている。「声かけしたからこそ出ている選手が頑張れたこともあると思うし、やらずに結果が出なかったら自分の責任でもある。誰が出ても出なくても、やらなきゃいけない部分」とフォア・ザ・チームを心がける。だからこそ、前節の完敗後に涙があふれ出た。 永石の姿に、ここまでリーグ戦23試合に出場している村上は「チームとしてそういう選手がいるのはすごくいいことだと思うけど、試合に出ている選手は(チームを)代表している。そういった(内容の悪い)試合にならないようにしないといけない」と責任を痛感する。坂田大樹と菅沼一晃も含めた4人の守護神争いに「誰を使ったらいいかな、とシゲさん(長谷部茂利監督)を悩ませるのがいい。お互いにリスペクトし、特徴を伸ばすことがチームの力になる」と心がけた。 勝てなかった9試合はいずれも失点しており、村上は「ゼロで必ず抑えるという強い気持ちを持って日々やるしかない」と決意。永石は「勝ちにつながるセービングだけでなく、やられない状況をつくるのも僕らの仕事」と味方との連係にも注力する。勝ち点38で13位の福岡にとって残留争いに巻きこまれないためにも、勝ち点31で降格圏内の18位にいる磐田戦は正念場。堅守を支える最後のとりでにとっても踏ん張りどころだ。(末継智章)
西日本新聞社