鳥栖のF・トーレスが今なお不発のなぜ?
何よりもJ1ワーストの15得点から大幅にゴールを積み上げていかなければ、現状で最も欲しい白星は増えていかない。時間が必要だと頭では理解していても、原川は「それでも焦ったほうがいい」と残りが15試合しかない状況で必死に前を向く。 「ただ、バランスは失わないようにしないと。前半戦もそれで7連敗しているので、ここで崩れないようにしながら、すぐに次の試合が来るなかで各々がやるべきことを整理していく。新しい選手が来てから上手くバランスを保てた試合がないので、味方の配置などを考えながら準備していきたい」 そのなかでも、逆襲へ転じていくための起爆剤はやはりトーレスのゴールとなる。日本列島を襲う未曽有の猛暑にも「まったく問題はないし、コンディションもいい」と涼しい顔を浮かべながら、ホームにセレッソ大阪を迎える5日の次節では、もっともっとパフォーマンスを上げると宣言した。 「チーム全体がよくなっていくと思うので、全員で頑張れば私のチャンスも来ると思う。難しいシチュエーションであることは理解しているけど、どこのチームでも新しいチームメイトたちとコンビネーションをよくするために努力してきた。今回も絶対によくなると信じている」 ベンチに下がった後に反スポーツ的な行為をしたとして、異例とも言えるイエローカードをもらった小野が、たとえ足の故障が癒えてもセレッソ戦では出場停止になる。まだまだ試練が続くなかで、チームメイトたちへの敬意を常に忘れない、トーレスの真摯な姿勢がサガンに「希望」の二文字を灯す。 (文責・藤江直人/スポーツライター)