【MotoGP】連覇のバニャイヤ、ドゥカティは一時諦めモードだった?「カタルニアで転倒した時、終わったと思った」
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは2023年シーズンのMotoGP王者となり、前年に続き連覇を達成した。しかしシーズン中盤にはこれが危うくなったと考えてしまう瞬間もあったと、チームマネージャーが明かした。 【動画】チームメイトのエネア・バスティアニーニ、骨折負ったカタルニアGP1周目のクラッシュシーン バニャイヤは2022年にMotoGPで初王者となると、2023年も勢いそのままにシーズンをスタートさせた。タイトル争いのライバルとしてホルヘ・マルティン(プラマック)が名乗りを挙げたが、中盤戦までバニャイヤは有利に戦いを進めた。シーズンが後半に入ると転倒が響いて一気にマルティンに点差を縮められたものの、最後までそれを凌ぎ、最終的に連覇を達成することとなった。 そんな2023年シーズンだったが、チームマネージャーのダビデ・タルドッツィは、バニャイヤがタイトル争いから脱落したかもしれないと考えた瞬間があったと語る。その瞬間とは9月3日に行なわれた第11戦カタルニアGPで、バニャイヤがハイサイドを起こし転倒してしまった時だという。 「非常にタフなシーズンだった。勝てない時やいい状態ではない時には、厳しいと思えることもあったよ」 MotoGP.comに対しタルドッツィはそう語っている。 「シーズンを終えるのも私にとっては非常に大変なことだった。一方でペッコ(バニャイヤ)がレース優勝という形でタイトルを勝ち取ってくれた」 「ライダーとの間の関係性を成長させることができた。バイクの進化について、しっかりと話すことができたんだ。ファクトリーチームとして最も大事なのは、ライダーとエンジニアがしっかりと”繋がる”ということだと思う」 「カタルニアGPは重要なレースだった。ただペッコは幸運なことにあまり大きな怪我は負わなかった。しかし正直に言って、あの瞬間には終わったと思った」 このカタルニアGPでバニャイヤは、スタート直後に転倒。後続のマシンに足を踏まれてしまった。しかし、幸いにも大きな怪我には至らず、欠場せずに済んだ。ただ、怪我を抱えてしまったことに違いはなかった。 「最終的に彼は自分がチャンピオンであることを示したと思う。最悪に思える事故だった。体調面だけではなく、メンタル面の問題をも乗り越えた」 「ああした大きなアクシデントがあると、彼は考え込んでしまうところがあり、100%を発揮できないことがあったと思う」 「しかし我々はミサノ(カタルニアGPの次戦サンマリノGP)で彼が示した調子を非常に誇りに思っている。彼はミサノで勝利に近づいた。それはひとえに彼の強さを示すものだ」 「ともかく、我々は彼の戦いぶりを嬉しく思っている。ああいったアクシデントの後では、多くのライダーがスロットルを戻したくなってしまうものだ。(ミサノは)彼にとってフィニッシュするのすら非常に苦しかっただろう。レース後、彼の体調は最悪だったけど、(レースでは)それをおくびにも出さなかった。彼はヒーローだ」
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