中日・松中信彦打撃担当コーチ、『ワイルド化』指令 石川昂弥にフライング指導、下半身意識で『荒々しい』打撃を
来季から中日のコーチングスタッフに入閣する松中信彦打撃担当コーチ(50)が1日、ナゴヤ球場で始まった秋季キャンプ初日で早速指導に当たった。井上新監督がキャンプ第2クールまでは各コーチが特徴や技量を知るコミュニケーションクールと語る中、石川昂らにフライングで指導。得点力不足解消を託された松中コーチは、背番号25に”ワイルド化”を求めた。 あふれ出る期待に、思わず体が動いた。打撃練習をじっと見つめていた松中コーチが、打撃ケージを出た石川昂に歩み寄る。そのまま15分間のファーストレッスンが始まった。要点は、下半身の使い方、求めたのは”ワイルド化”だ。 「全体的に思ったことですが、荒々しさがないなと。それを出す練習をしてもらいました」 石川昂にボールを手渡し、横手投げで13球を投じさせた。その後、バットに持ち替えてティー打撃。意識させたのは、内転筋に力を入れ、内側に締めるように体重移動すること。午後からの個別練習では、中日屋内練習場とグラウンドでロングティーに取り組んだ。 「パワーピッチャーが多いので、きれいな打ち方で打てるかって言ったら、そう確率的には高くないと思う。泳がされたり、詰まった時にヒットに持っていく、その強さや粘りは下半身だと思うので、フォームがきれいというよりは泳がされてもそれで振れるぐらいのスイングを求めていきたい。そのヒントを少し教えました」。まとまったスイングより、荒々しく食らいついていく打撃。それを身に着けるための練習が体全体を使ってバットを振るロングティーだと語った。 平成唯一の三冠王から早速助言を受けた石川昂は「内転筋に力を入れたりというのは分かっているんですが、なかなかできない。そこを改めて教えてもらいました」と充実の表情。松中コーチは、背番号25について「まだまだもっと遠くに飛ばせる。期待をすごく感じました」と笑顔を見せた。 秋季キャンプ初日、井上監督は「相手を知るのが大事。新しく入ったコーチは特徴や技量をね。2クールまではコミュニケーションクール」と話した。まずは選手を見る、技術はその先。松中コーチはフライングでの指導となった。ただ「昂弥がティーやってるときに、松中が少し言っちゃいましたと言ってたけど、それはそれで、指導者のさが。一生懸命研究して、目で見て、意見を聞いて発言してくれれば、それでいい」と新コーチの熱量を否定することはない。
中日スポーツ