「安倍政治の終焉を目撃している」サンモニ識者が今後に懸念も「バラマキ政治になりはしないか」
膳場貴子がキャスターを務めるTBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)が3日、生放送され、同局「報道1930」キャスター編集長の松原耕二氏が、衆院選で与党が過半数割れした国会運営について私見を語った。 【写真】衆院選東京15区のポスター掲示板 衆院選で連立政権を組む自民党と公明党が過半数割れし、国民民主党が躍進したことなどが伝えられると、松原氏は「安倍1強と言われた時代から様変わりしている」と現状を語りながら「ある種、安倍政治の終焉(しゅうえん)を我々、目撃しているんだな、という気がします」としみじみ語った。 今後について「新たな国会のあり方、国会の本来の役割を取り戻して欲しいという思いはあります」と議論の活性化を歓迎しつつ「その一方で気になっているのは、どの政党も、選挙終わったばっかりですけど、もう考えているのは来年の参議院選挙なわけですよ。そこに向けて、要するに『バラマキ政治』になりはしないか、ということが私は心配」と懸念も示した。 国民民主党が訴える、所得税控除のボーダーとなる「年収103万円の壁」の引き上げなどを念頭に、松原氏は「野党側からすると、次をにらんでさらに減税、みたいな、国民の負担を減らすものをどんどん言っていく。与党も政権を維持するために飲まなきゃいけない。与党も大敗したわけですから、国民に受け入れられる政治をなんとかしたい、と思うでしょう。そこで結局、そういう政治になってしまうんじゃないか」と指摘した。 「もちろん、本当に困っている人、困っている若者への支援は必要」と補足もした上で「財政が悪化したら、若者を救うと言っても回り回って若者にツケを回すことになる。何より気になるのは、アベノミクスで構造改革が進まなかった。今、賃上げには、企業の本当の力を付けるのが必要な時に、結局、構造改革の政策がまた後回しになるんじゃないか。そこは何とか、長期的な視点で政治をおこなって欲しいし、有権者もちゃんと見ておく必要がある」と持論を展開した。