UACJ、米でリサイクル能力引き上げ。シュレッダー設備増強
UACJは28日に開いたIR説明会で、米国のアルミ板子会社トライアローズ・アルミナム(TAA)でリサイクル原料の処理能力を引き上げると明らかにした。既存のUBC処理ラインを構成するシュレッダー設備の能力を増強する。2026年4~6月期までに増強を完了し、UBC(使用済みアルミ缶)処理ラインの能力を最大限まで高める。 TAAは米国最大級の缶材工場「ローガン・アルミナム」をノベリスと共同保有するUACJの米国における主力拠点。近年は環境負荷軽減に向けて北米の飲料缶市場が中長期的に拡大する見込みで、特にリサイクル原料の重要性に注目が集まっている。米国のアルミ缶リサイクル率は20年に45%レベルだったが、包装容器やアルミ業界が共同でリサイクル活動を推し進めることで30年に70%まで引き上げる目標を掲げている。圧延メーカーにとっては、UBCの処理能力を保有することが顧客の環境志向を捉えるためには必須となっている。 リサイクル原料の活用に向けてTAAでは、すでにアルミ缶リサイクルラインを稼働させている。圧縮したUBCを粉砕、裁断し、塗装を除去して溶解する工程が一貫化されたもので、この設備の稼働によりUBCの効率的な活用が可能になっていた。しかし米国でもリサイクル原料のニーズが高まる傾向にあり、スクラップ処理量を引き上げることが中長期的な課題になっていた。こうした背景もあり、今回のシュレッダー設備の増強を決めた。投資額や処理能力の増加幅などは非公開。