アナウンサーを25年続けて気づいた「聞き出し上手な人の一つの特徴」
相手の目線になるには
相手の目線になるというのは、言うのは簡単ですが、実際にやるのは難しいものです。ただ、私がそうだったように、「相手の目線になろう」「相手の立場に立とう」という意識をもつだけで変化します。実際にできているかどうかは置いておいて、まずはその意識が大事です。 たとえば、登校中の児童たちが車との接触事故で怪我をした情報が飛び込んできたとします。現場に行き、実際にその通学路を歩き、手を広げてその道の狭さを伝えながら歩きます。その地域に住む人たちの生活の中に入り込んで感じて伝えることが大切です。そうすると行政の取り組みの問題点も出てきて、ガードレールが設置されることもあるわけです。 自分と相手の立場が大きく違っていて、相手の目線になるのがとくに難しい場合はどうしたらいいでしょうか。その場合は、相手の立場を想像するためにできることを探します。相手と同じ行動をとる、相手と同じ環境に身を置くなど、話を聞く以外にもできることがないか探してみてください。 たとえば、男性が妊婦さんの目線になるのは難しいですよね。そこで、よく両親学級などで、これからお父さんになる男性がお腹周りに7kgほどの重りをつけて妊婦体験をします。もちろん、この体験だけで妊婦さんの目線になれるわけではないですが、体験前と比べれば大きく違うはずです。 そのほか、本を読むのもいいと思います。相手の方が本を書かれていればもちろんそれを読みます。そうでなくても、立場の似た人の本を探して読めば、相手の目線になりやすくなります。
富川悠太(キャスター)