無呼吸症の医療器具、実は日本でも「健康被害」が発生していた
【用語解説】
「睡眠時無呼吸症候群」 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、就寝時にのどの緊張がゆるみ、舌の付け根が落ち込んで気道をふさぐことで何度も呼吸が止まったり、断続的にいびきをかいたりする症状。息苦しさから眠りを妨げられ、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞を起こしやすくなる。医学誌によると、中・重症の患者は世界で4億人以上、日本では943万人いると推計されている。 「CPAP(シーパップ)装置」 圧力をかけた空気をマスクから鼻へと送り込み、睡眠時に空気の通り道がふさがれないよう気道を確保する装置。CPAP療法と呼ばれるこの治療法は対症療法で、根本的な治療方法ではない。日本では健康保険が適用され、装置はレンタル方式で普及している。フィリップスはレスメド(本社・オーストラリア)と並ぶ、世界有数のメーカー。 筆者:萩 一晶 フリーランス記者。1986年から全国紙記者として徳島、神戸、大阪社会部、東京外報部、オピニオン編集部などで働く。サンパウロとロサンゼルスにも駐在。2021年、フリーに。単著に『ホセ・ムヒカ 日本人に伝えたい本当のメッセージ』(朝日新書)、共著に『海を渡る赤ちゃん』(朝日新聞社)。情報提供は cpap2023j@gmail.com まで。
萩一晶