ドイツ自転車界の「フリューリングフェスト」 激戦生んだ前回コースをそのまま採用しクラシックハンターvsスプリンターの構図再び【Cycle*2024 エシュボルン・フランクフルト:プレビュー】
3回目のマンモルスハインを終えると、フィニッシュまでは36km。それからは下りとフランクフルト市街地の平坦な周回コースを走るので、自然とレースペースが上がっていく。前回の逃げ切りは、最後のマンモルスハインで起こった急展開がきっかけだった。 そんな今年のジャーマントロフィーには、UCIワールドチームから14、同プロチームから5、合計19チームがエントリーする。
コースのリメイク、それにともなうレース展開の変化は、各チームのメンバー編成にも大きく影響を与えていると見ることができる。大多数のチームが、クラシックハンターまたは登坂力に長ける選手たちをそろえて臨むことになりそうだ。
前回の覇者、セーアン・クラーウアナスンはアルペシン・ドゥクーニンクのエースとして大会へと戻ってくる。今季はリザルトこそ目立ったものがないものの、それはスーパーエースのマチュー・ファンデルプールやヤスペル・フィリプセンのアシストに回っていたから。彼らがいない今回は、2連覇をかけてみずからを中心に策を立てることだろう。昨年のU23世界王者アクセル・ローランスもメンバー入りし、チーム力としても出場チーム中最高レベルにある。 昨年の大会で逃げ切りのきっかけを作ったのが、マルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ)。今回もリーダーとして戦力充実のチームを牽引する。地元レースに燃えるニルス・ポリッツや、将来性豊かなヤン・クリステンらが脇を固め、どんな展開にでも対応できる布陣。
例年このレースにベストメンバーを送り込む地元の雄ボーラ・ハンスグローエも、スプリンター系のライダーを減らして上りで仕掛けられるメンツをそろえる。マキシミリアン・シャフマンとエマヌエル・ブッフマンのドイツ勢に加えて、パンチャーとして期待がかかるロジャー・アドリアも勝利を狙える。
ロードレースとシクロクロスの“二刀流ライダー”ティボー・ネイス(リドル・トレック)も押さえておきたい。シクロクロスシーズンを終えて、しばしの休息を経て臨んだ今季ロード初戦のツール・ド・ロマンディでいきなりステージ1勝。トップシクロクロッサーがロードで活躍するのはもはや当たり前の事象であるが、その新たな力である彼の名を、このレースではっきりと認識することになるかもしれない。
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