退職前に「有給消化」しようとしたら上司に断られました…!有休の買い取りすらしてもらえないのでしょうか?
転職先が決まり、残っている有給休暇がある場合は、退職日までに消化しなければなりません。 しかし、「忙しい時期だからギリギリまで働いてほしい」「引き継ぎが間に合わないので休みに入られると困る」といったように、会社から有給休暇の消化を拒否されることも珍しくないようです。 実際のところ、社員が申請した有給休暇の消化を、会社が拒否することは認められるのでしょうか? 本記事では、労働者の有給休暇取得義務や、有給休暇の消化を断られた場合の対処法について、ご紹介します。
有給休暇の取得は労働者の義務
労働基準法では、一定の要件を満たす労働者に対して、毎年一定日数の有給休暇を与えるよう定めています。 年次有給休暇を取得できるのは、6ヶ月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者です。 初年度は年に10日の有給休暇を取得できて、出勤率8割以上を継続することで、その後も勤務期間1年ごとに休暇日数は増加します。 退職が決まり、有給休暇が残っている場合は、退職日までの間で有給休暇を消化できます。 例えば退職日まで残り30日あり、有給休暇が10日残っている場合は、20日間働いてから、退職日まで休みに入るというやり方もあるでしょう。
有給消化を断られた場合の対処法
会社が従業員の有給休暇の消化を拒否することは、基本的には違法ですが、実際には「業務の引き継ぎが間に合わない」「後任者が決まっていない」などの理由で断られることもあるでしょう。断られた場合の対処法について解説します。 ■業務の引き継ぎや上司への相談を徹底する 連続して有給休暇を消化する場合は、事前に業務の引き継ぎを徹底して、有給休暇の取得について上司に相談することをおすすめします。 しかし、業務における対応をきちんと行ったにもかかわらず、上司から有給休暇の消化を拒否された場合は、まずは人事部などの会社の担当部署へ相談しましょう。 担当部署であれば法律の知識に詳しいため、有給休暇の消化を認めるように、上司に勧告してくれる可能性があります。 それでも難しければ、各都道府県にある労働基準監督署に相談することで、対応に問題がある会社へ立ち入り調査や指導をしてくれることがあります。 ■有給休暇を会社に買い取ってもらうことはできる? 有給休暇の消化を会社から断られた場合は、有給休暇を会社に買い取ってもらうことができます。 しかし、消化しきれない有給休暇を会社が買い取ることは、労働基準法で義務付けられていないため、買い取りを拒否される場合があるでしょう。 その際は人事部などの担当部署へ、有給休暇の取得を許可してくれない旨を伝えることをおすすめします。