いまさら聞けないクラブの話「ギア効果」のメカニズムってどうなっているの!?
ギア効果の真実
ギア効果はフェース面にある丸み(左右方向のバルジ、上下方向のロール)によって発生する。そう思っているアマチュアは多いはず。だが、これは間違い。ギア効果の真実を教えてもらおう。 「ギアは歯車ですから、お互い(フェースとボール)が丸くないと成立しない、そう思っているアマチュアは多いです。ですが、フェースが平らだとしてもギア効果は働きます。ギア効果はヘッドが回転することで生まれるものです。ですからフェース面の丸みは関係ありません。フェース面が平らでもヘッドが回転すれば、歯車のようにかみ合うのでボールに逆回転を加えられるのです」
では、フェース面にある丸み、バルジ&ロールの役割とは? 「ギア効果はヒッコリーの時代からありました。当然、フェース面を平らにしたヘッドも作られたはずです。ですが、バルジやロールのないヘッドは、ギア効果の影響で大きく曲がりすぎてしまうのです。トウ側に当たれば大フック、ヒール側なら大スライス。これではゴルフになりません。そこでフェースに丸みをもたせたのです。つまりフェース面の丸みは、ギア効果を減少させるものなのです」 フェース面の丸みでギア効果を抑制? どういうことなのかもう少し詳しく説明してもらおう。 「フェース面の角度的要素が関係するからです。フェース左右方向の湾曲「バルジ」で説明します。トウ側に当たるとギア効果でフック回転がかかりますが、同時にトウ側は丸みの影響でややオープンフェースになります。するとフェース面の角度的要素でスライス回転がかかり、その結果、フック回転を減少させます。これがバルジの役割。これはヒール側でも同じですが、ギア効果より影響は小さいため、トウ側ならフックするとなるのです」
フェース面の角度的要素というのは、フェースが開いたらスライスし、かぶればフックするというもので、これはギア効果ではない。フェースが開いてトウヒットした場合は角度的要素のほうが強く、ギア効果が抑えられてしまい、フックしない現象が起きる。 「ギア効果にはフェース面の角度的要素が大きく影響する。これは覚えておいてほしいですね」 PHOTO/Osamu Hoshikawa、Getty Images ※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月18日号「今さら聞けないクラブの話“ギア効果”のメカニズム」より
週刊ゴルフダイジェスト