2017年度東京都予算案 事業評価で720億円財源確保 政党復活予算廃止
小池百合子東京都知事が初めて編成した2017年度都予算案が、あす22日から始まる都議会で審議されます。小池知事は就任直後の昨年8月、新年度の予算の見積もり方針として、全事業の総点検実施を指示。その結果、新たな事業評価取り組みで約720億円の財源を確保しました。また都のみにあった慣例の「政党復活予算」を廃止するなど予算編成過程を変更しています。 「2017年度東京都予算案の概要」を中心にみていきます。 2017年度東京都予算案 都債発行残高は5兆6000億円
前年度までは終期設定済み事業は2割
「全ての事業の総点検を実施いたします」(2016年8月5日知事就任会見)。 小池知事は就任後初の定例会見で、新年度予算に対する見積もり方針のポイントとして、「無駄の排除を徹底して行う。継続することが目的になっているような事業については、これはいったん終止符を打つ」と事業評価見直しを明言。「これはすなわち財政構造改革につながっていく」と述べました。 都は予算編成の一環として事業評価を行い、結果を公表しています。10年前、2007年度に明らかになった事業評価件数はわずか14件でしたが、年々増加。舛添要一前知事は、前年度の予算案で536件公表し、約300億円の財源確保につながった、としました。しかし、小池知事はそれらの取り組みが「終期の設定がある事業は全体の2割」と、あいまいに継続されている事業が多く残っている可能性を厳しく指摘。今回、全事業に終期設定し、終期が来たものに対して見直し・拡充・継続等を判断するという新たな評価システムを導入するよう指示しました。その結果、小池知事は新年度予算案で前年度比1.7倍890件の事業評価を公表。「過去最高」の約720億円財源を確保した、と強調しています(グラフ)。 1月の予算案公表記者会見では「既得権と言ってしまったらきついかもしれませんけども、当たり前のように確保されていた部分をもう一度、時代の変化も含めて見直すということで終期を設けました」「知事が代わったということを契機に、むしろ私を活用してくれ、ということを都の職員のほうには指示いたしました」と力説。「新しい予算」に変える「きっかけをつくることができた」と取り組みの成果に自信をのぞかせています。