《キッチン周りの節約術》「1リットル以内ならやかんより電気ケトルで沸かす」「鍋は拭いてから火にかける」、積み重ねれば大きな節約に!
節約は日々の買い物での意識も大切だが、買い物以外の普段の生活で工夫できるポイントもさまざまある。そこで節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、キッチン周りで普段から工夫できる節約術について教えてもらった。 【写真】節約になる冷凍庫の詰め方とは?一例を写真とともに紹介
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ストックを買い過ぎていないか定期的に見直す
キッチン周りの節約のためにまず行いたいのが、ストックを買い過ぎていないか見直すこと。安いときのまとめ買いは節約のために大切ですが、買い過ぎて食べきれなければ本末転倒です。 食べきれる程度のストックになっているか、賞味期限や消費期限は切れていないかなどを定期的にチェックしましょう。賞味期限が近いものを優先的に使う日などを決めておくのもおすすめです。 ◆冷蔵室に物を詰め過ぎない ストックの量を見直すと同時に、冷蔵室に食べ物を詰め過ぎていないかもチェックしましょう。冷蔵室は物が詰まっていると冷気が循環しづらくなり、冷やす能力が落ちるため、余分に電力を使ってしまいます。 特に冷気の吹き出し口などはふさがないよう注意し、冷蔵室に入れる物の量は7割程度以下になるよう意識しましょう。 ◆冷凍室はできる限り隙間なく埋める 一方、冷凍室は冷凍された物同士が保冷材の役目を果たすため、むしろ隙間なく埋めたほうが冷凍効率が上がります。 ストックの食品で埋めてもいいですが、入れるものがない場合は保冷剤や水を入れて凍らせたペットボトル(冷凍専用を使用してください)などで埋めてもよいです。ただし、水は凍ると膨張するため、ペットボトルの水の量は8割程度にするようにしましょう。
短い時間で効率良く熱を伝え、ガス・電気代を節約
コンロ周りもちょっと意識するだけで、光熱費を減らすことにつなげられます。意識すべきは、短い時間で効率よく熱を伝えられるようにすることです。 最も手軽にできるのは、煮物などの調理をする際に蓋や落とし蓋を使うこと。東京ガスのウルトラ省エネブックによると、蓋なしで調理をした場合のガス代は約8.8円ですが、蓋を使って調理した場合のガス代は約7.9円となり、約11%も節約になります。※24cmの鍋で20℃の水を蓋ありと蓋なしで2リットル沸かした場合(蓋アリ:6.8分、蓋なし:7.5分) 1回1回は微々たる差ですが、料理は毎日行うため、習慣化させることが大きな節約になります。 ◆火力は鍋の大きさに合わせる また、調理する際の火力は鍋の大きさに合わせましょう。鍋底から火がはみ出ている場合、その分のガスは無駄になっています。鍋底からはみ出ない程度の火力で調理するようにしましょう。20cmの鍋(蓋有り)で、20℃の水1リットルを沸かした場合、強火は5.3円、中火3.7円の差になります(同資料より)。 ◆水滴は拭いてから使う 洗ったばかりの鍋やフライパンをそのまますぐ使う場合、鍋底などに水滴がついている場合があります。火にかければ乾きますが、節約のためにはきちんと水滴を拭きとってから使うようにしましょう。水滴がついている場合とついていない場合とではガスの使用量が変わり、きちんと水滴を拭くだけでガス代は約2%の節約になります(同資料より)。 ◆1リットル以内のお湯を沸かすときは電気ケトルで 1リットル以内のお湯を沸かすとき、やかんより電気ケトルを使うようにするのが節約的には正解です。T-falの公式サイトによると、やかんで1リットルのお湯を沸かす場合のガス代は1回約3.36円、毎日沸かした場合は年間で約1226円ですが、電気ケトルの場合は電気代が1回約3.26円、年間で約1190円となります 。また、電気料金の契約プランによっては、特定の時間帯は電気代が安い場合もあるため、安い時間帯にケトルを使うようにすればさらに効果的。 電気ケトルはカップ1杯(140ml)のように少ない量を沸かすのが得意なので、生活スタイルと照らし合わせて使い分けるとよいでしょう。一方で、1リットルより多いお湯を毎日のように沸かす場合は、やかんを使うほうが節約につながります。 ◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん 節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。 構成/新藤まつり