凱旋門賞は昨年から最大24頭立て 世界には最大34頭のレースも
今年はシンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦するほか、武豊騎手が独・愛G1馬アルリファー(Al Riffa、牡4、愛・J.オブライエン厩舎)に騎乗する凱旋門賞(3歳上牡牝・仏G1・芝2400m)。同レースは一昨年に除外馬が多く出たことから、昨年よりフルゲートが20頭→24頭に拡大されており、18頭以上が揃うことになれば、シンエンペラーにとって初経験の頭数となる。 【写真】日本競馬の悲願達成を狙うシンエンペラーの蹄跡 日本では現在、芝が18頭、ダートは16頭が最大頭数だが、古くはもっと多くの馬が出走していた。1962年の日本ダービーは、なんと32頭が揃ったという。その後、徐々に頭数を減らしていき、91年秋からは現在の最大18頭立てになった。だが、世界では先の凱旋門賞をはじめ、20頭以上が出走するレースも珍しくない。 一例を挙げれば、“国の動きを止めるレース”と称されるオーストラリアのメルボルンCは24頭立て。近年は1~2頭が出走取消しているが、それでも例年20頭以上。2019年にはフルゲートの24頭が集い、大激戦の中でヴァウアンドディクレア(Vow And Declare)が白星を飾っている。 凱旋門賞を除いた欧州重賞は少頭数のイメージがあるかもしれないが、10年の仏ダービーには22頭、昨年の仏1000ギニーには20頭が出走している。英国・アスコットで毎年6月に行われる芝1000mのクイーンメアリーSでは、今年が24頭、12年に27頭が出走するなど、レースや時期によっては日本のフルゲートを遥かに超える頭数になることもある。 ダートではケンタッキーダービーが最大20頭。アメリカの競馬場は小回りでもあり、多頭数では馬の器用さや、騎手の手綱捌きも重要になってくる。その中で今年の同レースでは、フォーエバーヤングが僅差3着と素晴らしい結果を残した。 障害戦で特に多くの頭数が揃うのは、英国のグランドナショナルだろう。現在は最大34頭立て。これでも頭数を減らしたほうで、22年まで40頭、84年まで50頭立てだった。距離も約7000mと過酷で、難易度の高い障害が数多く設置されていることもあり、それだけの出走馬が居ながら、完走馬がひと桁の年もある。 海外で勝利を挙げるためには、慣れない馬場やルールだけでなく、極端な少頭数や、日本で経験できない多頭数を克服することも求められるのだ。