米紙も「史上最もあり得ない登板」と驚嘆 今季1登板の千賀滉大をメッツが電撃復帰させた“ワケ”「簡単な決断ではなかった」
大胆な抜擢と言えるかもしれない。 現地時間10月4日、メッツの千賀滉大は翌5日(現地時間)から始まるフィリーズとの地区シリーズ第1戦での先発登板が決まった。右肩の張りで出遅れた今季はわずか1登板に終わっていただけに、驚きの決定となった。 【動画】まさに消える魔球! メジャーで異彩を放つ千賀の「オバケフォーク」を見よ 当人はやる気十分だ。4日に会見に臨んだ千賀は「色々困難なことはあったけど、状態を上げるまでに準備はできたかなと思います」とコメント。さらに「僕自身は言われたところまで、10球なら10球、200球と言われれば200球。ただそれだけだと思います」と意気込んだ。 無論、怪我明けから間もない千賀の“ウルトラC級”の復帰を巡っては、現地メディアでも小さくない衝撃が走っている。ニューヨークの日刊紙『New York Post』は、「センガ、先発として衝撃発表」と報道。「今シーズンの彼はわずか5回と1/3イニングしか投げておらず、2週間前には上腕三頭筋の違和感のためにマイナーリーグでのリハビリ登板を回避していたほどだ」と伝えている。 また、米紙『USA Today』の名物記者であるボブ・ナイチンゲール氏も「センガはメジャーのポストシーズン史上最もあり得ない先発登板のために、フィラデルフィアに向かうチームメイトと合流する飛行機に乗り込んだ」と強調している。 メッツの先発投手であるデビッド・ピーターソンも、『New York Post』で「驚いた。いつもとは違う雰囲気の中で、実戦のスピード感に戻るだけでも大変なことだと思う」と語った千賀のサプライズ復帰。もっとも、話し合いの末に決定を下したメッツ首脳陣は自信を抱いている。チームを率いるカルロス・メンドーサ監督は、こう明かしている。 「結局のところ、自分のことを誰よりもよく知っているのはセンガ自身だ。彼とは1年間、一緒にやってきた。そして、彼は実戦で打者と対戦したり、ブルペンで投げる中で、調子が悪いときは、いつもそれを知らせてくれる。今回の状況はそうじゃなかった。 彼と話をする前は、簡単な決断ではなかった。でも、我々は彼の言葉に耳を傾けたんだ。そしたらセンガは私たちにディビジョンシリーズやナショナルリーグ優勝決定シリーズの可能性に備えて、こっちが何を考えているのかを知りたいと言ってきたんだ」 本人の意欲を買った形のメッツ。果たして、今回の大胆な采配は吉と出るか、凶と出るか。ソフトバンク時代から幾度となくポストシーズンで投げてきた千賀だが、現地時間5日のフィリーズ戦は文字通りの大一番となりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]