賛否噴出!なぜ清原和博氏のトライアウト監督就任が実現したのか?
元西武、巨人、オリックスの清原和博氏(52)が30日、都内で行われた「ワールドトライアウト2019」の開催記者会見に出席、「トライアウト監督」への就任が正式発表された。 質疑応答、写真撮影が終わると黒いスーツ姿で腫れぼったい目をした清原氏は予定表になかった行動に出た。そのまま降壇するはずが、司会者にマイクを要求すると、報道陣に向かって、こう語りかけた。 「今日は、甲子園よりも日本シリーズの打席よりも緊張しておりました。みなさん、ありがとうございます。また頑張りますので、よろしくお願いします」 そう言って深々と頭を下げたのだ。 2016年2月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。その後、薬物の更生プログラムに取り組み、野球界への復帰を熱望していた清原氏にとって、それほど特別な1日だったのかもしれない。 清原氏は会見で「正直に言いますと、自分が逮捕された時は野球をしたことさえも後悔しましたが、約3年半、治療を含めて生活してまいりまして、やっぱり自分には野球しかないんだなと再認識しました。少しずつ体を動かし始めて、少しずつ子供に(野球を)教える機会があり、少年野球教室のために、自分のスイングを全国の子供たちに見てもらいたいということでスイングをし始めていました。現役時代のようなスイングはできないんですけど日々トレーニングして準備している最中に、このような話をいただいたので、もう1度原点に返って生活してきてよかったなと思います」とも語った。 なぜ“清原トライアウト監督”が実現することになったのか。 今回「ワールドトライアウト」というエンターテインメント企画を立ち上げた「株式会社WorldTryout」が、広告代理店や、テレビ、ネット各局へプレゼンして回る中で、某テレビ局のプロデューサーから「清原監督」のアイデアを「再チャレンジというテーマに重なるのではないか」と逆に提案された。その局は、プロ野球の戦力外にスポットライトを当てた番組で高視聴率を上げており「清原監督」が実現すれば、番組として、その過程を追いかけるプランも出された。 ただ清原氏は、まだ執行猶予期間中。 同社の加治佐平CEOは、「執行猶予期間中なのにいいのか」との逡巡があったことを明かす。清原氏の起用は社内でも議論されたが、田中聡COOが、「再チャレンジに、ここから始まるという区切りはない。皆さんが(覚せい剤逮捕の事件を)忘れてからやればいいのか、じゃあ、どこからやればいいのか。失敗があっても、もう次の日から取り返さねばならない人生が始まっている。そこと、どう向きあうか。チャレンジの方が苦しい。清原さんにとって野球は再チャレンジの最高のツールになると考えてオファーしたい」と主張した。