賛否噴出!なぜ清原和博氏のトライアウト監督就任が実現したのか?
田中COOは、尽誠学園―法政大から米の独立リーグを経て、日ハムにドラフト7位で指名されたが、戦力外となり、トライアウトを受け阪神に入団。そこで高校の先輩でもある故・伊良部秀輝氏に世話になり親交を深めた。だが、その伊良部氏は自ら命を絶った。 「私自身、伊良部さんという大先輩を亡くしている。もう仲間を失いたくない、という思いがあった。だから清原さんをなんとかしたいと、社長にお願いした」 加治佐CEO自身も、鹿児島ラ・サール高で硬式野球部を立ち上げ、早大に進むが、あまりの野球部のレベルの違いに戸惑い退学して東大を受け直した。だが、東京6大学の移籍禁止のルールに抵触して最初はプレーができず、周囲の協力があり、特例としてやっと東京6大学のマウンドに立てて東大エースとして活躍したという経歴を持つ苦労人。自らも再チャレンジを体現してきた人だけに、今回のセカンドキャリアをテーマとしたトライアウトに野球人生の再チャレンジを願う清原氏が重なったのだろう。 加治佐、田中の両首脳は、某プロデューサーの橋渡しで、清原氏と面談。「ワールドトライアウト」のコンセプトを説明、監督就任を依頼した。 加治佐CEOは、「やる前提で考えていることを感じました。ただ監督を一人で回せるのかなどに悩んでいらっしゃった。その姿に絶対にやるんだという力強い意思が伝わってきた。本人には“早く野球の現場に復帰したい”、報道にあるように“子供たちに野球を教えたい”という考えがある。執行猶予中であっても、本人が這い上がりたいという意思がある。ならばその意思に応えたいと思ったのです」と、最終決定に至った経緯を明かした。 また清原氏が監督を務めることで注目を集めることに加え、トライアウトの現場に緊張感が生まれ、よりレベルの高いプレーが生まれるのではないか、との期待もあるという。 清原氏も、この日の会見で、受諾の経緯をこう説明した。 「正直(オファーには)驚きましたが、執行猶予中の身ですし、このような大役を、そして野球に携われることができることに本当に感謝しかないです。事件を犯して、野球から遠ざかってきましたが、このような形で大役をお任せいただいて身が引き締まる思いです。野球に携われるとは……神宮球場のグラウンドの中に入ることさえ許されないと思っていたのです。選手たちも必死でグラウンドに立つと思うんですけど、僕も必死に立ちたいと思っています」