死んだらどこへ… 最新の納骨事情
先祖代々受け継がれたお墓を手放す、「墓じまい」が近年増えているという。 「跡を継ぐ子どもがいない」「高齢になり墓参りに行けない」といった理由からだ。 高齢化などの影響で、お墓を守ることが難しくなっているなか、「納骨堂」の人気が高まっている。遺骨の維持管理を一任できることに加え、交通の便が良いのが特徴だ。 都内の納骨堂は年々増加し、現在400カ所以上。2006年から10年間で約90カ所増えている。 とりわけ人気なのが、「遺骨のマンション」と例えられる、都市型納骨堂だ。 新宿駅から徒歩3分の場所にある、「新宿瑠璃光院 白蓮華堂」は2014年に完成し、現在、契約数は1500基にのぼる。納骨費用は1人用で100万円~。 駅近という利便性の高さが利用者の支持を集めているという。 一方、東京・豊島区の「おもてなしの会」では、納骨を郵送で受け付けている。 全国から届く遺骨を一時保管し、本院である静岡の寺で永代供養。料金は1万5400円だ。 さらに、AR(拡張現実)技術を使用し、スマートフォンの中に墓を登場させるサービスも提供している。 こうしたなか、鉄道会社や仏具メーカーが納骨堂事業に参入している。 今年3月には京王電鉄がグループ会社の葬祭業などの経験を生かし、東京・台東区の納骨堂でサポート事業を始めた。 納骨堂には副本堂もあり、葬儀から参拝まで同じ場所で行うことができる。 お墓から納骨堂へ。弔いのかたちがいま、変わろうとしている。 監修:斉藤 徹