本木雅弘、小泉今日子らが倉本聰最新作「海の沈黙」記者会見に登壇!
若松監督は「今までの倉本さんの作風とは少し異なる感じのシナリオですが、世渡りの下手な人間像、不器用ながら一生懸命頑張る主人公を描くという“倉本イズム”がやはりあって、出演者それぞれが輝いています。美とは何か、愛とは、命とは…というテーマの、とても深い映画です」と作品について説明。さらに、「『倉本聰』という名のもとに何度も倒れそうになる。でも、今回は倉本先生からのご依頼でしたので、まずは受け入れてもらっているのかなと思いながら取り組みました。たびたび電話でお話したところ、とても優しく、背中を押していただきました。先生が描きたかった世界観を、本木さん、小泉さんの力を借りてできたような気がします」と言葉を重ねた。
倉本氏は、本作を構想するきっかけが約60年前、鎌倉期の傑作として国の重要文化財に指定されたつぼが著名な陶工による贋作だったことが判明し、大騒動に発展した「永仁のつぼ事件」にあることを明かし、「今もテレビの鑑定番組が人気だったり、美術品が話題になりますが、高価値かどうかで美が評価される風潮にずっと疑問を抱いていました。いわば、60年前に仕込んだ子どもがやっと生まれてくれたわけです」と説明。さらに、北海道・天塩の海岸で、海で死んだ仲間の霊を迎える迎え火の現場に遭遇した約30年前の出来事や、洋画家・中川一政氏を息子が撮影したテレビのドキュメンタリー番組からインスピレーションを受けたことを振り返り、「本木さんと小泉さんという素晴らしいキャストに恵まれ、監督がどのように仕上げたかが楽しみです。この作品を応援してください。お願いします」とメッセージを寄せた。