58年後の無罪確定・袴田巌さん 強まる「再審法」改正の訴え【激動2024・静岡】
袴田さんの再審請求をめぐっては2014年に1度、裁判のやり直しが認められました。しかし、検察による不服申し立て=抗告を受け、審理が続き、東京高裁は再審開始の決定を取り消し。結局、再び再審開始が認められ、無罪判決が言い渡されるまでには最初の再審開始決定からさらに10年の月日がかかったのです。 再審請求を長引かせるとされる要素はもう1つ… <県弁護士会 梅田欣一会長> 「やはり捜査機関側にある証拠をちゃんと見られる、開示しなければいけないという手続きがやっぱり非常に重要になってくると思います」 再審請求の審理では証拠開示のルールがなく、弁護側が開示を求めても検察側に応える義務はありません。袴田さんの裁判で証拠が初めて開示されたのは事件から40年以上がたってから。この証拠開示のハードルの高さが再審の扉を閉ざす原因とされています。 「再審法改正に向けた審議促進を求める意見書、直ちに採決したいと思いますがご異議はありませんか」 「異議なし」 2024年12月、静岡市議会では法務大臣などに向けて、検察官による抗告の禁止や証拠開示に関する仕組みの整備といった「再審法」改正の議論を進めるよう求める意見書が可決されました。 静岡県内では35の議会で同様の意見書が可決されていて、残る浜松市議会でも今週、可決される見通しです。姉のひで子さんは弟の無罪確定後も集会などへ出席し、再審法改正の必要性を訴え続けています。 <袴田さんの姉 ひで子さん> 「やっぱりね、48年巖が刑務所に入っていたってことをね、それを今更どうのこうのとは言わん。48年頑張ったってことはなんかに生かしてもらいたい。そうすれば巖も報われる」 再審法の改正を求める意見書は静岡県だけでなく、全国各地の議会で可決されています。
静岡放送