世界の富裕層にもっとも注目される「究極のポルシェ911」が日本にやってきた!一見すると昔風でも中身は超絶
「父のフォルクスワーゲン・ビートルに乗ってオートルートを走っていると、後ろから911がやってきたのです。それを見て私は“なんてすごいクルマなんだろう!”と雷に打たれたような衝撃を受けました」 その後、クルマの世界へ進もうと、学校では自動車デザインを専攻したディキンスン氏。それでも当時は、ロックミュージシャンになるか自動車デザイナーになるか、迷いがあったそうだ。 シンガービークルデザインの“シンガー”とは、キャサリン・ホイール(Catherine Wheel)なるイギリスのロックバンドでボーカリストを務めていた自身のキャリアと、「911のエンジン音が歌のように聴こえることから」とディキンスン氏は『Forbes』誌のインタビューで答えている。
■「自分の911」へのニーズがビジネスに 「学校を卒業して自分の思いどおりに改造した911に乗っていたところ、“同じように自分のクルマを仕上げてくれないか”と、声をかけられたのをきっかけに、オーダーがくるようになりました。その台数が10台を超えたとき、“もっと多くの人が、自分と同じような911を欲しがっているのでは?”と、ビジネスへ舵を切りました」 成功の要因は、単に古いポルシェのレストアとチューニングにとどまらず、「独自の価値観を入れたこと」とディキンスン氏は分析する。
「かつて深く愛されたもの(クルマ)を今、真剣に、高い技術で、現代にも合ったように手を入れ、当時を知らない人にも受け入れてもらえるように“リイマジン”する。このアイデアが功を奏したと思います」 これこそが「なぜ昔の911にこだわるのか」という問いに対する、ディキンスン氏の答えだ。 先に触れたとおり、964型のシャーシを使い、炭素樹脂で作り直したボディは1964年発売の初期型911(901型という)からインスピレーションを得ているという。これも強いこだわり。