実行犯の正体が衝撃的すぎる...犯人特定の鍵となったものとは? ドラマ『オクラ~迷宮事件入り捜査~』第8話考察レビュー
火9ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)が放送中だ。反町隆史演じる人情味のある“昭和刑事”と、杉野遥亮演じるクールな“令和刑事”が風化寸前の事件を追うヒューマンミステリーエンターテインメント。今回は、第8話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】犯人の正体が衝撃的すぎる…貴重な未公開カットはこちらドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』劇中カット一覧
ついに明らかになる警察官連続殺人事件の実行犯
結城倫子(白石麻衣)が、飛鷹千寿(反町隆史)たちの仲間に加わる。そんな中、歓迎会の話になればすかさず「私は開いてもらってませんけど」とツッコミを入れ、飛鷹が倫子をバディに指名したときには「私の何が不満なんですか」とすねる不破利己(杉野遥亮)。 ほのかに倫子へのライバル意識を滲ませる不破の物言いに笑いを誘われつつ、第8話ではついに警察官連続殺人事件の実行犯が明らかになる。 「HIDE&SEEK」のファイルに浮かぶ「2024年12月 首都爆破テロ事件」の文字。未解決事件のファイルなのに、なぜか未来のことが記されている。それは、警察がこれまでの事件と同じようにテロを見過ごし、お蔵入りさせようと目論んでいることを示唆していた。 警察内部が絡んでいることや爆弾を使用する手口が類似していることから、10年前の警察官連続殺人事件の実行犯が関与している可能性もある。飛鷹、不破、倫子の3人は実行犯を特定し、テロを阻止しようと試みる。
門真衛の謎の服毒死が示すもの
そんな折、加勢英雄(中村俊介)の殺害容疑で逮捕された元警察官・門真衛(山中聡)が取り調べ中に服毒死。身体検査をしたにもかかわらず毒入りのカプセルを持ち込めたのは、警察官の誰かが手渡したからなのではないか。 第3話の「東京シンフォニーホール爆破事件」の犯人が同じく謎の服毒死を遂げていることからもその説は濃厚で、徐々に警察内部の卑劣さが浮き彫りになってくる。 門真は死ぬ前に捜査のヒントをこぼしていた。爆弾は遠隔操作できるのに、実行犯はわざわざ現場近くへ赴いていた、と。不破は鷲沢泰造(宇梶剛士)とペアを組み、10年前に久常未来(渋谷謙人)が爆弾で殺害された現場付近へ向かう。 鷲沢は3分しか稼働できない居眠り刑事というキャラクターだったが、久常が殺された事件には並々ならぬ熱を持っていた。鷲沢と久常の関係は、ただの教育係と新米刑事というより、まるでざっくばらんに何でも語り合える父と息子のよう。何もしてやれなかったと悔みながら、“昭和刑事”のやり方で地道に不器用に真実を探る姿は、見る者の胸を熱くさせた。 これまで“フルフェイスの男=門真衛”をゴールに捜査が行われていたが、実行犯は別。自らの正体をカムフラージュするために誘導役を選んだのだとしたら、実行犯は門真とは対照的な女性の線もある。実際、現場近くには女性専用のフィットネスジムがあった。当時の捜査資料でも「“フルフェイスの男”が駆け込んできたか」としか聞き込みされておらず、まさに盲点を突いた企みであったことが窺える。