リピート率9割!「濃すぎる鉄道ツアー」の舞台裏 クラブツーリズム「鉄道部」キーパーソンを直撃
――当時から、貨物線ツアーは売れると思っていましたか。 「売れる自信はありましたが、最初は企画が通らず苦労しました。JRの担当者と何度も交渉を続け、ようやく実現することができました。いざ販売を始めると、予想以上の反響で、その日の晩には満席になりました。そのうえ、何百人ものキャンセル待ちが発生したんです。最初は信じられませんでした」 ――個性的なツアーは、どのようにして考えているのでしょうか。 「鉄道ツアーが売れる要素は次の3つだと思っています。
1・ありえない路線に乗る 2・引退しそうな車両に乗る 3・往年の走りを復活させる これらがそろうと、かなりのヒット商品になります」 ――Xでしか宣伝しないのはなぜですか。 「好きな人だけ来てくれればいい、と思っているからです。そのやり方で、リピート率は90%。ツアーに参加してもらったみなさんだけに、次の予定を先出しする。参加者にアンケートを取り、希望の路線を反映させたりもしています。以前も『馬橋支線を通ってほしい』という意見があり、実現させました」
Xでの「クラブツーリズム鉄道部」の現在のフォロワー数は2万9000人ほど(2024年7月30日現在)。フォロー返しは一切しないスタンス。実際、この185系貨物線ツアー翌日に売り出された大阪での貨物線ツアーは、発売後2日でほぼ満席になった。 「これは数々の貨物線ツアーの成功を聞いた、JR貨物関西支社の方から大阪の貨物線ツアーの打診があり、実現しました。最近は鉄道会社から企画を持ちかけられることも増えています」
――リピーターの方の中には、大塚さんのファンも多く見受けられました。 「今日初めて売った私の名前入りタオルは完売しました。これからは物販にも力を入れていきたい。また、大学でも『いかにツアーを成功させるか』という内容の講義をしています。毎年必ず1人はクラブツーリズムに就職してくれます。5年先、10年先の新しい波に乗れるよう、柔軟性を持ってつねにアンテナを張っていきたいです」 ■日常では絶対体験できないツアー