リピート率9割!「濃すぎる鉄道ツアー」の舞台裏 クラブツーリズム「鉄道部」キーパーソンを直撃
幼少の頃から貨物線に興味を持って育ったそう。まさに筋金入りだ。 結局、1時間半以上経って、ようやく列車が動きだした。これだけの遅延を巻き返せるのだろうか。通過駅では、撮り鉄の方を多く見かけた。やはり185系は人気がある。 次の金町駅では40分ほど停車する予定だったが、一瞬停まってすぐ折り返し、出発。こうやって先程ロスした時間を稼いでいくらしい。ここからは新金貨物線に入り、新小岩信号場へ。 運転区が変わるので、線路ぎわに交代する運転士、車掌らが待機していた。これもレアな光景だろう。
■フル回転するエンジン音がたまらない 外房線の誉田駅では唯一の扉開放、つまり列車を降りてホームに出ることができた。本来、約30分の停車予定だったが、先程の遅延を巻き返すため、5分でこちらも折り返した。 走っている間、6号車では子どもたちに向けて、大塚さんの「夢を仕事に」という講義が始まった。クイズ大会、昼食(駅弁)と続き、その次は、元名鉄運転士で鉄道ユーチューバー、起業家として活動されている西上いつきさんの「キャリア設計」についてのお話。子どもたちはみんな熱心に話を聞き、質問をしていた。
一方列車は京葉線を走り、南船橋駅から猛スピードで武蔵野線を回り、西国分寺駅あたりで本来の予定時刻に追いついた。すごい巻き返しである。フル回転するエンジン音も、マニアにはたまらない。 新鶴見信号場へ向かう途中の生田トンネルは、長さが約10.3kmもあり、JR東日本管内では2番目に長いトンネルだそうだ。しかしここは貨物線なので、滅多なことでは一般客は通ることができない。こういうレア感はいい。 大船駅付近では、サフィール踊り子とすれ違った。新旧の特急踊り子号が再び出会い、個人的にも胸熱だった。
横須賀駅で折り返し運転、あとは終点の品川に向かうだけとなった。最後は1車両ごとに景品を賭けた大塚さんとのじゃんけん大会を開催。8時間半は意外にもあっという間に過ぎた。 「クラブツーリズム鉄道部」の中心人物で、貨物線を始め、さまざまなツアーの仕掛け人である大塚雅士さんに話を聞いた。 ――今までどのくらいの数、ツアーを行いましたか。 「この7年間で270コース、2万1000人のお客様にご参加いただきました。それ以前は『寝台特急あけぼの』のラストランの団体専用枠をもらってツアーを行ったりしていましたが、すべて自分たちで企画したのは、7年前の貨物線ツアーからです」