鹿児島県 奄美市教育会議 伝承者減り指導難しさ 復帰学習、23年度実施率100%
2024年第2回奄美市総合教育会議が29日、奄美市役所であった。7月の第1回会議を受けて不登校対策の現状確認と郷土教育に関する取り組みについての報告があり、委員らが改善策などを議論した。 会議の前半は第1回会議を受けて、市教委は9月の市定例校長研修会で不登校対策についての協議を行い、自校の不登校対策の取り組みの振り返りと他校の事例を参考に再度自校の取り組みを練り直すことを目的とした。また、学校以外の学びの場の重要性について再確認し、積極的に活用していくように依頼したことなどを報告。タブレット端末を使用した各種アンケートを実施し、児童生徒の実態把握や分析を行うことで変化を察知し、早期発見と対応につなげることなどを示した。 後半では郷土教育・ふるさと学習の充実についての取り組みと各校の紹介事例の報告があった。それによると、同教委が例年奄美群島日本復帰に関する歌や詩、講話等の取り組みを各小中学校で実施するように指導している「奄美群島日本復帰に関する学習への取り組み」について2023年12月の調査では実施率100%であること、日本復帰運動への学びが深めることができた成果がある一方で伝承者が減り、指導が難しくなっている点などを挙げた。 参加した委員らからは「SSW(スクールソーシャルワーカー)の人数と配置がないところの現状について」の質問や「研修会だけでは全てを理解するのは困難ではないか」、「郷土教育に関して教員によっても差がある」、安田市長からも「郷土教育を幼少期から可能な範囲で行うべき」などの意見もあり、市教委は「SSWは10人を計画しており、笠利地区で欠員1人が出ている。現在、コーディネーターが巡回し、住用地区には配置がないが、教育相談員が学校を巡回してそれぞれ対応している」こと、郷土教育に関しては「市独自の副読本の活用や島の各種行事を収録した書籍やDVDの貸し出しなどで対応可能な場合もある。幼少期からの実施についてはこれからの課題と検討である」ことや「11月19日は笠利町の赤木名小で、大島地区の郷土教育の公開研究会を予定している。多くの教員が参加してほしい」と呼び掛けた。