医師向けサイトのメドピア、"大型買収"踏み切る切実事情
医師向け情報サイトを運営するメドピアが大型買収に打って出た背景には何があるのか(写真:メドピア提供)
医師向け情報サイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピア(6095)が、乾坤一擲の大勝負に出ている。 同社は2022年10月、製薬企業のMR(医薬情報担当者)の営業代行を行うCSO事業を手がけるEPフォースを完全子会社化した(買収後にMIフォースに社名変更)。 この買収が大勝負だと言えるのは、その規模の大きさゆえだ。今回の買収でメドピアが投じた金額は50億円。2022年9月期末の同社の総資産93億円の5割以上に上る。 メドピアの売上高は84億円、営業利益は10億円(2022年9月期)。一方でMIフォースの売上高は33億円、営業利益は3.7億円(2021年9月期)と、企業としての規模も大きな差はない。 それだけに、買収に伴うのれん償却の負担も小さくない。前2022年9月期には1.8億円だったEBITDAと営業利益の差額は、今2023年9月期の会社計画では7.1億円に広がっている。広がった分の5.3億円の大部分は、MIフォースののれん償却費とみられる。今期15億円の営業利益を見込む同社にとっては決して小さくない負担だ。 なぜここまでの買収に踏み切ることになったのか。背景には、市場が急拡大した先で次なる成長のタネを取り込まなくてはならない、という同社の危機感がある。
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遠山 綾乃