亀田ジムの再出発にJBCが“待った”
「亀田大毅の“負けても防衛“の問題が、ボクシング界の信頼と信用を失ってしまう事態を招いたが、そもそも、その原因はどこにあったのか。そう考えると実質的なジムの経営者である亀田史郎さん自身から、一連の問題に関する謝罪と、今後のジム経営にタッチしないということを含めたケジメの公式表明をしてもらう必要はあるだろう」とは、JBC関係者。国内ライセンスを自動失効され、国内でボクシング活動ができないでいる亀田興毅、大毅、和毅の3兄弟に関しては、「選手には罪はない。一日も早く国内でボクサー活動が再開できるようにさせてあげたい」というのが、JBC内の一致した意見ではあるが、一方で、問題の再発防止のため、再発の可能性のある温床や環境を排除した上でなければライセンスの再交付はしないという強い方向性がある。 ボクシング活動の再開の可能性については、ジムの移籍もしくは、新会長の擁立であることを示唆していた。ジムの移籍に関しては、「信頼のおける名門」、新会長に関しては「経験と人格を兼ね備え周囲の誰もが求める相当な人物」というガイドラインを明らかにしていて、多くの世界王者を育てた大竹氏は、そのJBCの定めた会長像に適した人物ではあるが、“亀田父”が、またバックにいて“傀儡会長”となることを危惧しており、“ケジメ会見”は、いわば、世間に対して二度と問題を起こさないという“公約”の意味をこめてJBCが求めているものだ。 ただ、今月1日からアマチュアジムを生まれ故郷の大阪に開設した亀田史郎氏は、すでに3兄弟が所属することになる新ジムに関しては、「一切関知しないこと」をメディアを通じて明言。大竹氏とも、そのことを明文化した契約文書まで交わしている。そう考えるとJBCの提示した再交付の条件をクリアしているとも取れるのではあるが……。 今後、JBCが、どういった形で亀田サイドに“ケジメ会見”を働きかけるのかは不明だが、二度と“亀田問題”でボクシング界が荒らされないように再出発に厳しいハードルを用意していることだけは確かである。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)