亀田ジムの再出発にJBCが“待った”
国内でのボクシング活動が停止状態となっている亀田ジムは、新会長に名門、協栄ジムでの豊富なトレーナー経験を持つ大竹重幸氏を招聘して再出発を目指しているが、ジムの新加盟に関する許認可を行う東日本ボクシング協会と各種ライセンス交付の権限を持つJBC(日本ボクシングコミッション)から“待った”がかかった。大竹氏から新加盟申請を受けている協会サイドは、この問題を先日の理事会で議題にしたが、複数いる理事の中からは、「JBCがライセンス更新を認めず、我々が前会長に除名を言い渡したジムの加盟をすぐに認めることを世論が納得するのだろうか。また、そのことでボクシング界が信頼を失うことにつながりやしないか」という慎重な意見が出ている。 亀田ジムの前会長の吉井慎次氏を除名にした際の理由が、「吉井氏は、実質的なジムのオーナーではなく会長職を全うしていなかった」というものだった。大竹氏を新会長としたジムを承認する際には、実質的なオーナーとして、ジムの経営、運営にタッチできるのかどうかを大竹氏自身からヒアリングをした上で見極めなければならない。亀田サイドも、そのあたりの事情を加味した上で、亀田ジムとしての再加盟でなく、「K3 BOX&FIT GYM(ケースリー・ボックス・アンド・フィット・ジム)」(通称Kスリージム)と新しく名称を変えての新加盟を考え、新会長の大竹氏は、協会の各理事に対して個別にアポイントメントを取りながら「傀儡の会長ではなく、私が責任をもって運営していく」、「亀田3兄弟も気持ちを入れ替えて練習に取り組んでいる」などと説明、協力、理解を求めている。 だが、協会サイドが、承認という結論を出すには、3人の推薦人も含めて、それ相応の説得材料が必要。来週16日に次回の理事会が開かれるが、まだまだ、正式承認に行き着くまでは、議論と時間がかかりそうだ。また協会のジム加盟の承認を待って、その後、各種ライセンスの交付を審議する立場にあるJBCも、ライセンスの再交付に関しては、いくつかの条件を亀田サイドに突きつける考えを固めた。特に問題視しているのが、実質的な経営者としてジムの方向性をコントロールしてきた亀田3兄弟の父である亀田史郎氏の存在。そういう亀田父とジムとの関係が解消され、健全な経営状態が保たれるかどうかを徹底的に調査する考えで、オーナー、マネジャー、トレーナーなどの各種ライセンスを交付する条件のひとつとして、亀田史郎氏自身のなんらかの“ケジメ会見”の実施を求めたいという。