地域経済発展へ 奄美大島商工会議所 創立65周年会員大会開催
奄美大島商工会議所(有村修一会頭、1107事業所)の「創立65周年会員大会2024」が8日、鹿児島県奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。沖縄ツーリストの東良和代表取締役会長が講演。安田壮平奄美市長らを招いたパネルディスカッションもあり、地域経済の発展や魅力ある地域づくりに向けて考えを深めた。永年継続会員表彰では30年以上継続の計306事業所を表彰した。 大会は会員の交流を広げ地域経済の活性化を図る目的で、10年ぶりに2回目の開催。有村会頭は「この10年で経済環境や社会生活は大きく変化したが、地元商工会議所として今後も地域のさらなる発展と活性化を積極的に推進していく」とあいさつ。永年継続会員では、創立以来会員84事業所、50年以上19事業所、40年以上52事業所、30年以上151事業所を表彰した。
基調講演では、東会長が「『外貨』を稼いで企業も地域も元気になろう!」の題で講演。新型コロナウイルスによる打撃から経営を立て直した自身の経験を基に、島外や国外で稼ぐ仕組みづくりについて語った。 東会長はまず、新規事業や新市場など不確実性の高い事業課題に向けた意思決定の考え方「エフェクチュエーション理論」について▽今ある手段を用いて新しいものをつくる▽期待利益ではなく損失が許容可能かで考える▽同業者や他業種など関与者と連携関係を築く▽災い転じて福となす▽予想ではなくコントロール可能なものに集中して成果に到達する―と解説。 同理論に基づき展開した事業として、利用者が交通手段や宿泊先、観光プランを自由に組む地域主導型観光プラットフォームの構築や、北海道と奄美・沖縄が連携して東京や大阪などの都市部でイベントを開催する「どさんこしまんちゅプロジェクト」などを紹介した。 パネルディスカッションは同商議所の重信千代乃氏がコーディネーターを務め、安田市長と有村会頭、福山洋志氏、麓憲吾氏、里原あけみ氏、指宿俊彦氏の6人がパネリストとして出席。東会長をアドバイザーに「活力に満ちた魅力ある地域を目指して―創出と喪失」をテーマに意見を交わした。