【陸上成年男子100メートル決勝】10秒22で優勝した大上（ASUNARO、右から3人目）＝14日、佐賀市SAGAサンライズパーク陸上競技場

　国民スポーツ大会「SAGA2024」は第10日の14日、佐賀県内で11競技を行った。青森県勢は陸上成年男子100メートルで大上直起（ASUNARO）が10秒22で優勝。少年男子B円盤投げの伊藤大晴（東奥学園高）は4位に入った。成年女子砲丸投げの田中杏実（青森北高出、九州共立大）は惜しくも9位で入賞を逃した。カヌー成年女子スプリント・カナディアンシングル（200メートル）の坪田めぐみ（県競技力向上対策本部）は52秒158で3位。同・カヤックシングル（200メートル）の福田りん（A’GROVE）は4位だった。銃剣道成年男子は3回戦で東京に1－2で敗れた。最終日の15日は佐賀市で陸上競技を行い、11日間にわたる熱戦に幕を下ろした。陸上少年男子B3000メートルの決勝で鈴木朝陽（青森山田高）が9位だった。男女総合成績で争う天皇杯、女子総合成績で争う皇后杯はともに東京が獲得し、地元の佐賀はいずれも2位。青森県は男女総合成績が23位、女子総合成績が15位となり、昨年の鹿児島国体から順位を男女総合は17、女子総合は21上げた。次回の国スポは25年9～10月、滋賀県で行われる。 ▼0.02秒差「会心レース」／成年男子100メートル・大上 　今大会前のフォーム改造が実を結んだ。陸上成年男子100メートルで県勢初の頂点に立った大上（ASUNARO）。2位とはわずか0.02秒差の大激戦を制し「会心のレース」と破顔した。 　今季は「絶望のシーズン」だったという。8月までは体が思うように動かず、納得のいく走りができなかった。思案の末にたどりついたのがフォーム改造だった。 　やや縮こまった走り方を改め、腕を豪快に振り歩幅を大きくした。「また調子を落とすかもしれない」との不安も残ったが、今大会の準決勝で自己ベスト（10秒15）に迫る10秒16をマークし1位で突破。「落ち着いて走れば勝ちきることができる」と確信した。 　決勝。やや緊張があったものの好スタートを切ると一気に加速。勢いを落とすことなく走り抜いた。ゴールの瞬間は力強くガッツポーズ。苦しい期間を乗り越えてつかんだ優勝に「言葉に表せないぐらいうれしい」と感極まった。 　岩手県久慈市出身だが、母親が青森市出身ということもあり、2026年の青森国スポに向け青森県代表として出場する道を選んだ。 　来年の滋賀国スポで2連覇、そして青森で3連覇を狙う。「今大会で得た手応えを体に染みこませ、必ず結果につなげる」。さらなる飛躍を誓った。