見た目はやっちゃった!? 期間限定特別仕様「クラウン クロスオーバーRS ランドスケープ」を試してみた【清水和夫試乗動画】
「DISCOVER YOUR CROWN.」4部作の1弾目、クロスオーバーの特別仕様車が2024年いっぱいの期間限定で設定されている。SUVのクロスオーバーRSに、後付け感盛りモリ?のオーバーフェンダーにマッドガードしかも赤!など、よりワイルドなスタイルに変身させた「ランドスケープ」を、国際モータージャーナリスト・清水和夫氏がストリート試乗。さて、評価はどうだ? 【写真を見る】クラウン クロスオーバーRS“ランドスケープ”試乗記事を見る IMPRESSION:清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/MOVIE:StartYourEnginesX/ASSIST:永光やすの(Yasuno NAGAMITSU) スペシャルな限定バージョン「クラウンクロスオーバーRSランドスケープ」は泥だらけにしたくなるのか? 昭和の時代はお堅い、生真面目イメージだったトヨタから、またブッ飛んだ特別仕様のクラウン クロスオーバーRS“ランドスケープ”(CROWN CROSSOVER RS“LANDSCAPE”)が2024年12月までの期間限定で登場している。 ボディカラーはブラック×アーバンカーキの2トーン一択、専用オーバーフェンダーモールには「GORI GORI BLACK塗装」という名まで付いている手仕事塗装のスペシャルなもの。また、オフロードには欠かせないマッドガードのカラーは赤+クラウン(王冠)マーク入りと徹底されている。 清水氏曰く「ゲジゲジ」なオールテレインタイヤ245/60R18にセンターオーナメント付き18-71/2Jアルミホイール(RSは225/45R21+21×71/2J)を装着。エンジンはRSと同じ直4 2.4Lターボハイブリッド(Z/G/Xは2.5Lハイブリッド)だ。また、60/40分割可倒式のリヤシートは長物搭載にも嬉しいランドスケープ専用装備。 さぁ、そんな特別感満載なランドスケープを清水さんはどう評価したのか? このスタイルが今の流行り? それはどうなのか乗ってみた 今乗っているのは、トヨタ・クラウン クロスオーバーRS“ランドスケープ”。エクステリアを見てもマットフラップが付き、車高もちょっと上がってオーバーフェンダーも付いていて、タイヤもオールテレーンみたいな“ゲジゲジ”したオフロードっぽいタイヤが付いている。 今こういうのが流行っているので、このクラウン・シリーズの中で“流行りもの”なのか? あるいは本質を狙っているのか?というのを確かめたくて試乗している。 ロードロイズがうるさい! 車高が高いからサスペンションストロークがゆったりしていて、むしろオフロードっぽいクルマの荒々しさとかは無く、このハイブリッドシステムの静かでトルキーな洗練されたパワートレーンと、オフロードをイメージする力強さというのが、ちょっとアンマッチみたいな感じはある。エンジンももっとガツガツいうのかな?と思ったら、高速巡行をしていると普通のクロスオーバーみたいに静かだし。 あれ、路面が変わったらロードノイズが静か。路面次第っていうところがあるのか。ま、ロバスト性(強靭 /頑強性)みたいな話になるけど。 サスペンションは柔らかめで、上下に動く。クロスオーバーのノーマルの走りとそんなに大きな違いはないので、そういう意味ではクロスオーバー・ファミリーの一員なのかなと思う。 路面によって変わるバネ上の動きは気になるなぁ 高速道路80km/hぐらい出していると、このサスペンションで十分だなと思うが、路面によってはロードノイズがうるさいとか、スピードを上げてちょっと路面の粗いところに行くと、バネ上のボディが少しユラユラと動く感じがある。その辺のサスを直したらメルセデス・ベンツの乗り味に近づいていくんじゃないかな?ってちょっと思ったね。 少しダイアゴナル(※斜めっぽく)に動くんだよ。もうちょっとロール剛性を上げた方がいいのかも。もっと上下にバウンスするんだったらいいのだが、スピードを上げると斜めにフワフワッていう感じが出てくる。80km/hぐらいだとベタっていう感じでいいんだけど。 このハイブリッドが今、1番パワフルなバージョン。600万円台でこのクルマを手に入れるっていうのはそんなに悪くないかなと思う。けど、エクステリアデザインがな~。赤のマットフラップは少し合わないような気がするんだけど…どうなんだろう? インテリアデザインは普通のクラウン クロスオーバーと全く同じなので、もうちょっと“らしい”演出が欲しいような気がする。高度計が付くとか、アウトドアの走りに必要ないろんなメーターがあってもいいかな。 高速でADASを試す。「さすがトヨタの最新バージョン!」 良いことは、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems/先進運転支援システム)が凄く使いやすい。今ACC(Adaptive Cruise Control/車間距離制御装置)をセットしているが、LKAS(LANE KEEP ASSIST SYSTEM/車線維持支援制御装置)もACCも凄く使いやすい。 今、ステアリングが電動パワステで車線を見ながらグッと緩く、自分が切らなくてもシステムが操作している感じがある。この辺の手応えが、システムが動かしているんだなというのを手のひらに感じる。結構まともに車線の真ん中に行ったり、微妙にアウトインアウトをやってくれているのかな。感覚は合うね。緩~くステアリングが動いていくので高速走行は楽。 そういう意味でADASは十分、合格。 レクサスにライダーを付けたアドバンスト ドライブ(Advanced Drive/渋滞時支援)があるけど、それを除けばシステムとすれば今、1番の最新バージョン。 規制、設定、実測と、今“80km/h”が3並びしている。もし、なんらかの時に自分が加速したい時は、このままアクセルを踏めばドライバーオーバーライドでドライバーの意志が優先的にクルマを動かすことができる。また、アクセルを戻せば元の設定速度に戻る。 一般道でのADASはどうだ? 街中でも全車速ACCを使ってみよう。50km/h規制速度で設定50km/h、今は34km/hぐらい。交差点で止まりましたね。全車速ACCなので今12km/hぐらいで前のクルマに追従している。車間距離は1番詰めている設定。 この速度でこれくらいのカーブでもLKASが動き、上手く機能している。ちゃんと車線を読んでハンドルが自動で動いている。 一般道も乗りやすい。SUVまではいかないんだけど、車高が高いっていうかアイポイントがちょっと高いからね。むしろこのSUVは高速走行よりも街中の方が乗りやすい。ちょっとスピードが上がるとバネ上がちょっと動いちゃうので、低速側の方がフラットライドだ。 最強版THSが600万円っていうのはお買い得! このクラウンから従来のTHSハイブリッドシステム以外に、ワンモーターのハイブリッドも出ているから、その場合はエンジンの出力が大きいので。タコメーターが付いている。THSだったらタコメーターはないので、メーターパネル見ればすぐにどっちのハイブリッドかが分かる。一応6200rpmでレッドゾーンだね。 4駆システムを持っている。これはリヤモーターだけど、この辺は相当凝ったハイブリッドの4駆システム。それが600万円くらいで買えるんだったら悪くないなと思う。 【クラウン・ファミリー車両価格(税込)】 ・クラウン セダン:Z(ハイブリッド)730万円/Z FCEV 830万円 ・クラウン スポーツ:RS 765万円/Z 590万円 ・クラウン クロスオーバー:RS 670万円/RSランドスケープ 685万円(2.4Lターボハイブリッド)/Z 595万円/G 515万円/X 440万円(2.5Lハイブリッド) ・クラウン エステート(2024年央発売予定/価格未定) ハイブリッド/PHEV 今日、この「トヨタ クラウン クロスオーバーRS“LANDSCAPE”」に試乗して気になるのは、タイヤのロードロイズの大きさと、高速のちょっとバネが動いちゃうところ、そこだけだ。あとは結構満足した。このハイブリッドシステムは結構パワーがあるから、これだったらもっと思いっきり走りたいなって気になってきた。 ★清水親分からの提案「制限速度制限の見直しも願いたい」 第一東名高速の大井松田-御殿場間、ここは80km/h制限なのでACCの設定速度も80km/h。この高速道路と最近のクルマで見たら、制限速度80km/hはちょっと遅すぎる感じはする。第二東名高速のように制限速度120km/hにするのもいいが、この辺の80km/hを90km/hにするとか、そういった決め細かい対応も警察にお願いしたいところだね。 https://youtu.be/R56Fjh_UyVg?si=ukI3c3qJ1SO7BWvi 【SPECIFICATIONS】 ■トヨタ クラウンクロスオーバーRS“LANDSCAPE” 全長×全幅×全高:4930×1880×1565mm ホイールベース:2850mm トレッド(前/後):1600/1605mm 車両重量:1910kg 乗車定員:5名 最小回転半径:5.4m エンジン種類:直列4気筒DOHC+ターボ 内径×行程:87.5×99.5mm 総排気量:2393cc エンジン最高出力:200kW(272ps)/6000rpm エンジン最大トルク:460Nm(46.9kgm)/2000-3000rpm 燃料タンク容量:55l(無鉛プレミアム) フロントモーター最高出力:61kW(82.9ps) フロントモーター最大トルク:292Nm(29.8kgm) リヤモーター最高出力:59kW(80.2ps) リヤモーター最大トルク:169Nm(17.2kgm) ミッション:6速AT 燃料消費率(WLTCモード):15.7km/L サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/マルチリンク ブレーキ(前/後共):ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ(前/後共): 245/60R18 車両本体価格(税込):6,850,000円
清水和夫