中国、いじめ問題深刻化 校内にAI警報器導入も
【北京共同】中国の学校でいじめ問題が深刻化している。インターネット上には被害者を集団でリンチする動画が相次いで投稿され、当局が捜査に乗り出す事態に。教育省はいじめや校内暴力防止に向け、倉庫など人目につきにくい場所に監視カメラを設置するよう求める通達を出した。学校現場では人工知能(AI)搭載の警報器を導入する動きも広がる。 「やめて、助けて!」。公園の路上に倒れ込み悲鳴を上げる女子中学生を女子生徒らが取り囲んで足蹴にし嘲笑した。4月にネットに投稿された動画の現場とされるのは広西チワン族自治区南寧市。通報を受けた市公安局はその後、生徒ら8人を行政拘留などの処分にしたと発表した。 事態を重く見た教育省は5月末の通達で、いじめ行為に対する処罰を校則で細かく明示することや、学校に対策委員会を設置することなどを指示した。最高人民法院(最高裁)は「未成年の法的保護」に関する指針を公表。学校でのいじめが犯罪を構成する場合は刑事責任を追及するとし、学校が教育的責任を果たしていなければ法的責任を負うと明記した。