28連覇&県内410連勝達成の青森山田、指揮官は負けられない重圧に「前監督に背負わせればよかったかな(笑)」
11月4日、第103回全国高校サッカー選手権青森予選の2次予選決勝がカクヒログループアスレチックスタジアムで開催された。 【フォトギャラリー】決勝試合風景 大会28連覇を狙う絶対王者・青森山田と8年連続ファイナリストの野辺地西の青森頂上決戦は、青森山田が3-1で勝利を収め、県内410連勝を達成し今年も全国切符を獲得した。 昨年、黒田剛前監督(現J1町田監督)からチームを引き継いだ正木昌宣監督は試合後「また27連覇するまでには、また27年かかるわけで、この連覇というのは先輩たちが作り上げてくれた偉大な記録なので、そこを途絶えさせることなく、次に繋げられてホッとしています」と安堵の表情を浮かべた。 28連覇をかけた一戦。「歴史を変える」と息巻く野辺地西に青森山田は19分、FW11成田涼雅(3年)に先制ゴールを許してしまう。しかし、いきなりの失点にも青森山田は動じず、野辺地西に対してサイドアタックやロングスローなどで、じわりじわりと圧力をかけていき、前半38分に同点に追いくと、後半開始早々にはPKを獲得し逆転に成功。その後も1点を追加し3-1で今大会も挑戦者を跳ねのけた。 この逆転劇を正木監督は「青森山田の伝統というか、色々な想いや覚悟を持って青森まで来ている選手が多いので、簡単に負けられないという想いがあの失点によって起こされたのかな」と説明した。 県内410連勝という記録に対しては「私が卒業してから当時は春季大会からの記録だと思います。どこかで負けていれば良かったですね。その責任を前監督に背負わせればよかったかな(笑)。考えられない数字だと思いますし、今は気にしないようにはしています」と笑った。立ち向かってくる相手を跳ね返し続け、積み上げられた記録がもたらす重圧は計り知れない。それでも青森山田は今大会もその記録を更新することに成功した。 「選手権は過去4回優勝して、その次の年っていうのは本当に苦労しているし、そうは見えなくても周りから言われることも多々あります。ただ今年1年はそのプレッシャーで戦えるのはウチしかいないし、連覇に挑めるのも我々しかいない。でも今年のチームに選手権もプレミアも、ディフェンディングチャンピオンという意識はなく『俺ら雑草だぞと、下から這い上がって行こう』と口にしている。良い意味でみんなで頑張れるチームになっていった。そこはあまり大きく言わずに純粋に、今年のチームで日本一になろうと思っています」 貫禄の逆転勝ちで全国切符を獲得した青森山田が全国大会2連覇に向けて、まずは一歩を踏み出した。 (文・写真=古部亮)