「当たり前に地上波でやってほしい」久保建英が中継なしに思い。田嶋会長には同調「要求を全部飲むわけにはいかない」【現地発】
「国対国の優しさみたいなものをもっと出してくれたら」
日本代表は11月21日、2026年北中米ワールドカップ・アジア2次予選の第2戦でシリア代表とサウジアラビアで対戦。5日前のミャンマー戦に続き、5-0で完勝を収め、連勝スタートを切った。 【PHOTO】日本代表のシリア戦出場16選手&監督の採点・寸評。スコアラーと指揮官に7点台の高評価。MOMは4Aの14番 ただ、会心の勝利を日本のファンへ画面越しで届けることは叶わなかった。放映権料の問題で、日本国内では放送されていなかったためだ。 鮮烈なミドルシュートで先制点をマークするなど、1ゴール・1アシストの活躍を見せた久保建英が試合後、この由々しき問題に言及。「そこら辺は僕ら選手にどうこうコメントできる問題じゃないですけど」と前置きし、次のように見解を示した。 「田嶋会長が言ってる通り、いくら日本で試合を中継したいからと言って、その相手の要求を全部飲むわけにはいかないと思うので。お互いの、国対国の優しさみたいなものをもっと出してくれたら、日本のみんなも試合を見ることができてハッピーだったかなと。個人的にあんま言えることじゃないですけど」 さらに、「自分のゴールを見てほしいと、サッカーの日常的なものの思いもあるんじゃないか」と振られた際には、「僕のゴールを見てほしいというよりは、日本の試合が、代表の試合は当たり前に地上波でやってほしいなっていう思いはある」と力を込めた。 なお、現地で視察した日本サッカー協会の田嶋幸三会長も取材に応じ、「権利は向こうの協会にあって、それを売ったエージェントが、日本に対する価格をどんどん吊り上げようとしていたのは事実」と改めて説明。そのうえで、思いをこう伝えている。 「放送できなかったのは、すごく申し訳ない気持ち。ただ、このように無理してお金を吊り上げるようなことをしていたら、放映権の相場も崩れていってしまう。そういうところはAFC(アジアサッカー連盟)も少し考えていかないといけない。 変に吊り上げたら(収益が)ゼロになっちゃうかもしれないよ、ということ。テレビ局にはそれぞれの色んな計算があったりする。(キックオフが)夜中ですよ。それで何億もよこせって言ったって出せないですよ」 取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)