期待の若手の成績は? ウインターリーグの結果を紹介
日本のプロ野球はオフシーズン真っただ中だが、世界に目を向ければ今がシーズンの真っ最中というリーグもある。それが「ウインターリーグ」だ。古くはハワイのウインターリーグで若き日のイチローや、井口、城島がブレイクのきっかけをつかみ、最近ではヤクルトの山田が台湾のアジアウインターリーグでプレーするなど、若手選手が飛躍するきっかけとなってきた。 ハワイのウインターリーグは行われなくなって久しいものの、今年は台湾でのアジアウインターリーグが2年ぶりに再開したこともあり、多くの若手選手がウインターリーグでプレーしている。台湾では、広島を除くセ・リーグの5チームと、ソフトバンクの選手の合計25人が連合チームを組んで参戦中、そのほかドミニカやオーストラリア、プエルトリコのリーグに参加した選手たちもいる。今回はこれらの選手たちに加え、来シーズン来日予定の新外国人選手のウインターリーグでの成績を紹介していきたい。
■台湾 岡本(巨人)と陽川(阪神)が打撃好調
最も多くの選手が参加している台湾でのアジアウインターリーグはシーズンが大詰め、17日までにリーグ戦が終了し、18~20日にプレーオフが行われている。NPBの連合チームはリーグ戦を1位で通過、プレーオフの1回戦も突破して20日の決勝で韓国リーグ選抜に勝利した台湾アマチュア選抜と対戦する予定だ。 参加選手の中で打撃が目立っているのが巨人の岡本と阪神の陽川だ(表1)。岡本はスタメンで出場した15試合すべてで」安打を記録し打率は4割超え、ホームランを3本放つ一方、三振は2つだけと非常に濃い内容の打撃を続けている。陽川は持ち前の長打力を遺憾なく発揮している。全20安打中、二塁打が6本、三塁打2本、本塁打2本と半数が長打で、長打率は岡本に次ぐチーム2位の.621を記録している。 一方でこの2選手は守備面では苦労している。ともに三塁が本職にもかかわらずショートやセカンドの守備に就いている事情もあるが、岡本は3失策、陽川は4失策を犯している。来シーズンの一軍やレギュラー定着には守備面の成長も必要となるだろう。そのほかの選手ではDeNAの山下、ソフトバンクの真砂が良い数字を残している。山下は2本塁打を放つ一方で、6四球を選んでおりOPSは9割超えと二遊間の選手としては文句のない数字、真砂は.364と高い出塁率を記録、さらにリーグ断然トップの13盗塁を成功させている。